★★★★★のレビューにあるとおり、素晴らしい内容の作品なのに、
字幕にでる日本語の翻訳がひどいのが本当に残念です。
私はシャネルが半=専門ですので、全内容が原語ですべてわかるのですが、
字幕翻訳は三分の一くらいが誤訳といってもよいくらいです。
特にひどいのがシャネル自身のせりふ。ほかは英語ですが、シャネルの言葉はもちろん
フランス語。そのフランス語の邦訳が極めてひどい。たとえば、
「そうね、似てなくもないわね」というセリフが、「いいえ、全然ちがうわ」となったりしています。基礎文法ができてないのですね。
あるいは、「かしこい女は」と訳されている箇所の正しい訳は、「青鞜=ブルーストックキングの女たちは」であって、フェミニストのことを指しているのです。ココによる強烈・痛快なフェミニスト批評のすごみがまったく伝わってこない。文化史的知識もない訳なのですね。
これではラガーフェルドもシャネルもかわいそうです。
シャネル自身の言葉のすごみを知りたい方は、以下の拙訳をぜひお読みください!
ポール・モラン著・山田登世子訳『シャネル――人生を語る』中公文庫
この訳書とDVDをあわせてみれば、誤訳のひどさも正しい訳もわかると思います。