クライマックスに差し掛かってから、いったい何度ドンデン返ったことか(笑)ドンデン返しってのは一回、多くても二回ぐらいで完結するから驚きも増すというものですが、本作は5回も6回もひっくり返る。何度もとなると、その驚きもどんどん薄れていくというのはありますが、確かにスゴイです。
合間合間に、ミツルギ町で起きた銀行強盗の一味が、裏切り者の正体をめぐって口論になる等のシーンがフラッシュバックとして挿入されます。しかしその映像も、そこまで見せたらドンデン返しにならないだろう!! と、いうところまで見せてしまっているので、その時点で、この物語のメインが記憶喪失ではなく、また別のところにあるのだと気づかされます。
そこまで見せちゃうなら、記憶喪失という設定自体飛ばしちゃえばいいんじゃないか、と思わせておいて、実はその設定も、後々のドンデン返しに必要な設定となるワケで、『この映画に無駄なシーンはない』という宣伝文句も、あながち嘘ではないかも。
ただ、フラッシュバックの映像をもっと曖昧にして、もう一つの別の物語として描き、それがメインの物語と繋がった瞬間を最初のドンデン返しとして描けば、より面白かったかも。
その後は、最初に書いたとおりで、いったい何回転がるんだ?ってぐらい転がります。あからさまなこじつけ感もなく、「重い三億円を一人で運べるわけがない」というのを除けば、矛盾点もこれといって見当たらず、よくできた脚本だと思います。