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ともすれば長々と響かせてしまいたくなる重音は、心持ち短く切り上げて余韻を残す。大きく歌い上げたくなるようなフレーズもコンパクトにまとめる。一直線にクライマックスへ上りつめたくなるところも、血気にはやらず冷静に進める。それでいて不足を感じさせるようなところは一つもない。「抑制の美」。あるいは「清貧の思想」。「清貧」といっても川畠の音色や音楽性が貧しいという意味ではさらさらない。たしかに豪華さやきらびやかさとは無縁かもしれないが、そのかわりに内面の豊かさがある。バッハがこれだけ身近に感じられるのも、バルトークにあたたかみと美しさを感じられるのもそのためだ。(松本泰樹)
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