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5つ星のうち 5.0
音楽にはいかなる人をも癒す力がある, 2006/7/17
レビュー対象商品: シャイン [DVD] (DVD)
ヘルフゴットはユダヤ系ポーランド移民の両親を持ち、幼い頃から父の手ほどきでピアノを始めた。
神童と呼ばれるも、父親は幼い頃からデイヴィッドの精神に何らかの障害があることを感じ取っていたらしい。
映画では行き過ぎた家族愛、もしくは自らの音楽への固執にとらわれてデイヴィッドの米国留学を止めたように描かれているが、真偽は定かではない。
「認識機能障害」(不安神経症の説もある)が本格的に発症して精神病院に入院したのは、パースに戻り最初の結婚生活が破綻した20代中頃のこと。
それから10年以上の精神療法を受けることになる。
その後、パースのワインバーで演奏し、占星術師のジリアンと再婚することで再び彼は表舞台に登場したことは、映画のとおり。
90年代に入り国際的な活動を本格化した彼に対して、技巧面での弱さを指摘する声は多いらしい。
しかし、これだけの人生を歩んでなおピアノを通じて、人々に音楽の素晴らしさ、
楽しさを伝えようとするデイヴィッドの前には、そんな批評は無意味だ。
僕が最も好きなシーンは、ワインバーに古びた譜面を持ってやって来た彼が、
譜面を落としてそのまま「熊蜂の飛行」をいきなり演奏する場面。
”人生のすべては音楽であり、それ以外は何もない”彼の演奏に、時間すら止まったような、涙が出るほどの感動を受けた。
この映画の素晴らしさは、デイヴィッドの人生を見つめる製作者の冷静なまなざしがもたらしたものと思う。
最後になってしまったが、忘れてならないのは、ジェフリー・ラッシュ。
「エリザベス」を見て以来ファンになったが、役柄が要求する難しいセリフ回しをほとばしるように繰り出し、
身体中から情熱を発散し続ける、”演技を超えた演技”には改めて敬服の意を表したい。
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5つ星のうち 4.0
ラフマニノフの手, 2006/1/25
レビュー対象商品: シャイン [DVD] (DVD)
この映画を見るまでは、ラフマニノフのピアノ協奏曲三番がそれほど大変な曲だと知りませんでした。図書館で好奇心から楽譜を見ましたが確かに音符で真っ黒です。片方の手に指10本あっても弾くのは難しいでしょう。映画の中でラフマニノフの手の石膏レプリカも出てきましたが、大きな手ですね。昨年だったかNHKで故ホルヘ・ボレットがこの曲を弾いていたもの(録画)を見ましたが彼の手も同じように大きな手で縦横無尽に鍵盤の上をはじけていました。この曲は選ばれた人のみが弾く事を許される曲の一つだと感じます。
幼い頃から厳格な父親の下、ピアノを弾く事のみを教えられた少年デイビット、彼は幼い頃からの目標だったラフマニノフのピアノ協奏曲三番を弾き、精神に異常をきたしてしまいます。
父親の異常なまでの利己的でゆがんだ愛情が彼をここまでおいつめてしまったのですが、父親自身もホロコーストで両親を失い、音楽を愛しながらもそれを勉強する機会が失われた事への強い憤り、又、才能を持って生まれた子供への強い嫉妬も感じられます。
初めてこの映画を見た時はひどい父親だと感じましたが、彼も彼なりの葛藤があったのでしょう。それを考えるとデイビットだけでなく、父親も悲しい被害者といえるでしょう。
この映画を見てからというもの、ラフマニノフの三番を聞くと、どきどきしてしまいます。録画されたものや、CDでさえも、途中で演奏者が倒れてしまうのではないかと杞憂してしまいます。
本当のディビットは今でも演奏活動をしているそうです。流石にラフマニノフはもう弾かないようですが、彼がピアノによって救われたように、その演奏は人の心に響き、あるときはその人を救うのです。
ピアノを愛し、ピアノから愛された人はそれから離れることはできないのです。彼が精神に破綻をきたしてから、医師は彼に音絶ちを命じますが、結局彼を救ったのはピアノでした。ピアノを奏でる事で彼はようやく幼い頃から抑圧されてきた感情を解き放ち、自由になれたのだと思います。
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5つ星のうち 5.0
アマデウスに比肩する最高の音楽映画, 2004/10/10
レビュー対象商品: シャイン [DVD] (DVD)
シャインは最高の音楽映画の一つである。しかし、この映画の良さはその音楽性だけではない、これはヒューマンドラマとしても優れている。スパルタ教育で息子を一流のピアニストに育てようとする父親とそれに従順にしたがってきた少年デイヴィッドとの親子の関係が徐々に変わっていく様は見ごたえがある。さらに、この映画の凄いところは映像も実にきれいなことだ。監督であるスコット・ヒックスの映像に対するこだわりが伝わってくる。
その中でもやはり、ジャケットにもなっているデイビッドが空に向かってトランポリンで舞いあがるシーンは印象的である。このシーンで流れるヴィヴァルディのアリアもとても魅力的だ。