笑わない息子の別人格。双子の姉妹。植木の獣。血の奔流。曲がっても曲がっても続く廊下。巨大な冷蔵庫。古びた写真の中でほほえむ人々。犬男。がらんとしたボールルーム。タイプライターのシーンに象徴されるように、キューブリックが独自にイメージした世界が、美しく、怖い。怖くて目がつぶりたいのに、目が離せない感覚で、見入ってしまいます。恐怖映画として傑作度は、そこに登場するイメージの鮮烈さに比例する気がしますが、なにげないものなのに、撮り方ひとつでこうなるのかと。さすが、鬼才! 効果音やセリフなども、字面で読むよりは、なるほどと納得できる面もあるので、小説だけ映画を見ないのはもったいないなぁ。
ステディカムを多用した映像は、今でこそ珍しくないですが、当時はその!きにめまいをおぼえて、怖さが増しました。延々と三輪車に乗った子どもを追いかけるシーンは、ホントに不気味。
原作の甘さに比べると、私自身は、この結末は納得できるのですが…。キング自身は許せなかったのも、さもありなんと。
楽しみ方としては、原作を読んでから、映画を見る方をおすすめします。