アシュケナージとロイヤル・ストックホルムフィルによるシベリウス交響曲全集第2弾。エクストンレーベル初のシベリウス・シリーズということで、広報活動も盛んなようである。さて、アシュケナージのシベリウスであるが、第1弾に続いて「クール」で清潔な演奏である。広報活動の熱とは対照的です(笑)。
セシル・グレイ(という有名なシベリウス通の批評家)はシベリウスの音楽を「人の住まない世界」と評した。また、彼が推すシベリウスの最高傑作は「第4交響曲」であった。おそらく、私の知る限り、シベリウスの作品でも、第4交響曲が好きという人はあまりいない。きわめて閉鎖された世界で行われる哲学的な応答のような音楽でもある。
アシュケナージの方法は直裁だ。これはもう「自然界から湧き上がってい来る」音を描いた世界ですね。だから、前述したグレイの評のイメージにきわめて近いものを感じます。少し歌えるような個所があっても、表情は押さえられ、そこで安易に曲を「わかりやすく」しようとしない辛口なところがあります。ここが評価の分かれ目でしょう。
第5番はずっと祝典的な雰囲気のある曲でるが、ここでもアシュケナージのアプローチは不変。楽器の美しい調和は繊細に扱われていますが、大きなふくらみを見せたり、情熱的に鼓舞したりといった手法は用いず、壁画を修復するかのように、細かいパズルを合わせていきます。しかし、一方で、金管などが押さえきれずに出るところは、「それはそれでいい」と、それもまた自然といったところでしょうか。一つのシベリウスの形の境地かもしれません。
「フィンランディア」は肩の力を抜いて、楽しい音楽作りとなっています。