ヴァイオリンの音が良いです。良いというのは2つあって、ひとつは、コンサートホールで聴く、生のヴァイオリンの音に近い、耳障りな感じが全くない音を楽しめます。もうひとつは、いかにもストラディバリウスらしい、倍音豊かで、中低音がふっくらとした音色が、このCDでは、よく出ています。今まで自分が、CDで聴いてきたヴァイオリンの音の中でも、トップクラスの音の良さです。
ヴァイオリンとオーケストラの音のバランスは、生音とはもちろん違いますが、これはこれでいい感じです。ダイナミックレンジが広くて、金管や打楽器の迫力が凄いです。
演奏内容については、技巧に長けた、コンクール向けのようなプレイで、もうちょっと色気や乱れがあってもいいような気もしますが、諏訪内晶子さんが弾きこんで来た曲だけあって、完璧な演奏というのは、こういうものだろうかと思ってしまいます。ミスや耳障りなノイズが全くなく、ストラディバリウス「ドルフィン」の良さを完璧にひき出しています。
もっと躍動的で、感動的な、シベリウスのヴァイオリン協奏曲の演奏は、他にもいっぱいあるとは思いますが、細やかで丁寧な、ある意味、パーフェクトな演奏という点では、ひとつのスタンダードと言えるかもしれません。