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シベリア抑留―未完の悲劇 (岩波新書)
 
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シベリア抑留―未完の悲劇 (岩波新書) [新書]

栗原 俊雄
5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

敗戦直後、旧満州の日本人兵士ら約六〇万人がソ連軍に連行され、長期間の収容所生活を送った「シベリア抑留」。極寒・飢餓・重労働の中で約六万人が死亡したこの悲劇は、今も完結していない。衝撃的な史料の発見、日本政府への補償要求と責任追及…。過酷な無賃労働を強いられた帰還者らは、「奴隷のままでは死ねない」と訴える。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

栗原 俊雄
1967年生まれ。東京都出身。早稲田大学政治経済学部卒、同大学大学院政治学研究科修士課程修了(日本政治史)。1996年毎日新聞社入社。現在、東京本社学芸部記者。毎日新聞(大阪本社)に掲載された連載「戦艦大和―生還者たちの平和希求」(2006年11月20日~12月16日)、「続戦艦大和―遺族たちの戦後」(2007年6月18日~7月14日)、「シベリア抑留―帰還者と遺族の戦後」(2008年11月10日~12月2日)で2009年第3回「疋田桂一郎賞」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 214ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2009/9/18)
  • ISBN-10: 4004312078
  • ISBN-13: 978-4004312079
  • 発売日: 2009/9/18
  • 商品の寸法: 17 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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By picander トップ500レビュアー
形式:新書
最も苦しい思いをした人間は、生きて帰って来なかった。
万一、帰ったとしても思い出したくない、もちろん人に語りたくもない。
シベリア抑留を語ること、後世に伝えることの困難はここにある。膨大な、「語られなかったこと」のなかに真実がある。そのことを私たちは想像しなければならない。
目の前で仲間が射殺され、骨と皮だけになって死んだ仲間の死骸を埋めた人々。
マイナス30度での重労働。少ない食料、麻酔のない手術、医療もないので病は死を意味する。
旧軍の序列を笠に着て部下から搾取する将校や軍曹。頻繁の拷問。繰り返される思想教育と日本人アクチブからの吊るし上げ。日本人同士の加熱する密告。
また次々と仲間が死ぬ、仲間の墓を掘る、仲間の衣服をはがし、自分の防寒にする。その修羅を生き延びた人々にかける言葉は見当たらない。
彼らは戦争で死線をさまよい、戦後はシベリアで地獄を見て、帰還後は日本政府に無視され、シベリア帰りはアカだとされ就職もままならず、再び仲間の弔いのために辛いシベリアを思い出して語り、補償を求めて政府と闘わなければならなかった。壮絶な人生を、政治と戦争に翻弄された悲劇と簡単に片付けてしまうことはできない。悲劇は敗戦時に日本軍がソビエト側に、労働力の提供を申し入れたことからはじまり、政府はそのことを未だに謝罪せず補償もされないままである。ソビエト側も明白な国際法違反で6万人が死んだことの責任をとってはいない。日本の知識人もシベリア抑留を語らずソ連を礼賛したものは少なくない。国家の残酷さに、誰も目をつぶってはいけないのだ。私たちは「ノルマ」という言葉をビジネスで軽々しく使う。そのロシア語がどれだけの犠牲を生んだのか知ったならば、その言葉を使うのをやめて、ただ冥福を祈るしかないだろう。本書は40代の著者がシベリアの悲劇を現時点で可能な限り簡易にまとめた、力作である。
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10 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
 今日の視点から、シベリア抑留という事件の歴史的意
味を問おうとする本書には、固有の意義があるものと感
じました。なかには、堀江則夫『シベリア抑留 いま問
われるもの』(東洋書店 2001)に新しい情報を加えただ
けという人もいるかもしれません。例えそうだとしても、
ここに記録されたシベリアへの移動、そこでの生活(極
寒、飢餓、重労働の三重苦)そして帰国と、これらにま
つわる生存者の証言には何にも勝る重みを感じました。
 前掲書が、満州在住の居留民や兵士を労働力として
提供したのではないかと疑惑を指摘していた関東軍文
書が、ロシアで発見されたという記録は、新聞記者らし
い着目で値打ちがありました。改めてソ連という狡猾な
大国と国体の護持を優先する非情な軍事国家、双方か
ら見放された人々の悲劇が、強く印象づけられました。
 本書が参考文献にあげる山下静夫『シベリア抑留14
50日』、佐藤清『画文集 シベリア抑留記』にも目を通
しました。いずれも黒一色で描かれた絵は、誇張のな
い分よけいに訴求力がありました。30年近く経ってか
らしか描けなかったということが、逆に鎮魂の思いの深
さを物語っていると思いました。後者の文章から、一節
だけを引いておきます。
 「恨みをのんで死んでいった戦友の魂は、いまなお異
郷の地に、安らぐことなく、漂泊しているのであろうか。」

<付記> 本書で制定運動が紹介されているシベリア特
措法は、昨年6月16日に成立しました。著者は『シベリ
ア抑留は「過去」なのか』(2011)で、その前後の経過と
それでも、いやそれ故にこそ残る課題をレポートしていま
す。合わせて読むとよいと思います。(2011/05)
このレビューは参考になりましたか?
14 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By mfhty トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:新書
「シベリア抑留」について、戦争末期の満州(第1章 発端)から、移送・収容・強制労働の実態(第2章 移送、第3章 三重苦、第4章 民主化運動)、帰国(第5章 帰国)まで、順に記載している。
 そして、本書は、戦後における、元抑留者による訴訟などを通じた国との闘争(第6章 裁判、第7章 闘争)、遺族の状況や慰霊活動(第8章 遺族、第9章 慰霊、第10章 終わらない「シベリア抑留」)についても、きちんと記述しており、まさに、「シベリア抑留」が「未完の悲劇」であることを伝えている。

 悲惨な抑留体験だけを記述するのではなく、さまざまな視点からバランスよくシベリア抑留について記述した本であり、このテーマについての整理された知識が得られる好著と思います。
 そして、この問題が現在まで続く問題であることを再認識させる本であるとともに、戦争や国家とは何かを考えさせられる本でもある。多くの人が読むべき本と思います。
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帰還者たちがみた、この国のかたち
たった200ページ余り、700円の新書に、何十万人もの人間の狂わされた一生が、何万家族の何代にもわたる悲劇が、生存者の肉声と、丁寧に紐解かれる資料によって伝わって... 続きを読む
投稿日: 4か月前 投稿者: nacamici
「労働」について考えさせられる
ソ連は1936年憲法で「高度に発達した社会主義」と自己規定した。本書では「人間の解放を目指すはずの社会主義が、無辜の人々を連れ去って強制労働を課すのは矛盾している... 続きを読む
投稿日: 12か月前 投稿者: lega-sy
シベリア抑留問題は未だ終わっていない
TVドラマ「不毛地帯」(山崎豊子作)の放映に伴いシベリア抑留問題に興味を持った。
抑留者のシベリアでの生活は想像以上に酷い。... 続きを読む
投稿日: 2009/11/15 投稿者: たか
期待はずれ
昭和史を題材とする岩波新書にはなかなかの力作が多いのだが、本書は期待はずれであった。新事実の披露も新解釈もない。昭和史について一定水準以上の知識を持つ読者は、既知... 続きを読む
投稿日: 2009/10/11 投稿者: zigeunerweisen
ちょっと減点
 出だしは、抑制の効いた文章でなかなかよいが、次の文章(17頁の末尾)でずっこけました。... 続きを読む
投稿日: 2009/10/5 投稿者: seabirdU
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