この映画のベースは(広い意味で)ラブストーリーであり、内戦という重い現実に翻弄される人々の苦悩を描いた物語である。
主戦場から遠くはなれ、略奪や焼き討ちといったゲリラ戦という汚い仕事を、愛国心や郷土心にかられて、率先して取り組んでいく若者たちの姿には、現代の盲目的愛国心が幅を利かせるアメリカの状況と照らし合わせても、考えさせるものがある。
こういった重い調子で映画は進み、延々と無意味な殺戮が繰り返されるが、最初に言ったように、この物語はラブストーリーであるから、このままでは終わらない。
あたかも焼け野原から下から芽をだした一輪の花のように、”希望”が生まれ、静かに映画はエンディングへと進む。
このへんが憎い演出だ。悲劇のなかでみつけた幸福は何倍も大きく感じられるというわけである。
この映画を見た人は、最後は前途に希望をもって”少しだけ”幸せな感じがするのではないだろうか。
そしてとどめは、ヒロインのスー・リー役のジュエル・キルシャーが歌うエンディングテーマ、「What's Simple Is True」が胸を打つ。フォークシンガーである彼女の歌と演技には特に注目だ。
単なるトビー・マクガイアファンにも十分に楽しめるし、静かに見るのにも適している、これはそういう映画である。