本作は、展開に説得力があり、単にヒーロー同士の戦いをイベントとして描いた訳では無い点が、現在でも高く評価されている所以でしょう。もう5年も前の作品ですので、現在のマーベル世界は時間の推移とともに随分と変わってしまっていますが(スパイダーマンの正体は結局全ての人の記憶から消されたり、ピーターパーカーはメリージェーンと別れたりひっついたり、アイアンマンはシールド長官を首になったり…)、マーベルの歴史を知る上では欠かす事の出来ない作品です。
名称が「ティグラ」が「タイグラ」、「ジャック・オウランタン」が「ジャック・オランタン」、「ニトロ」が「ナイトロ」、ソーのハンマー「ムジョルニア」が「ミヨゥナ」など、今更妙な米語読みにしているのはどうかとは感じました(翻訳を急いだからかな?)。表記は「マーベル・キャラクター大事典」のものと同一にして欲しいものです。
シビル・ウォータイトルのみの合本版ですので、キャプテン・アメリカは逮捕されたままで終わるため、暗殺までは邦訳してもらわないととは思っていましたが、まさか引き続き「デス・オブ・キャプテン・アメリカ」のストーリーを バッキー版キャプテン・アメリカ(アレックス・ロスによるデザイン)の誕生まで邦訳されるとは予想していませんでした。これでアストニッシングX−MEN「ギフテッド」「デンジャラス」、「ハウス・オブ・M」、ニューアベンジャーズ「ブレイクアウト」「セントリー」「コレクティブ」、そして本作「シビル・ウォー」、そして次回作「デス・オブ・ドリーム」「バーデン・オブ・ドリーム」と、9冊もタイトルを移りながらも途切れることなくマーベル世界の時間軸通りに、続けて邦訳として読める事は素晴らしいと感じます(スパイダーマンは映画公開後、一月に3冊も発売されていて、マッハでストーリーが進んでますので邦訳は難しいでしょうから残念です)。こうしたタイトルリレー形式での邦訳出版は、私の知る限り前例が無いと思います。
シビル・ウォーでは中立だったX−MENの気になるその後「デッドリー・ジェネシス」も11月に邦訳発売。2004年から2007年頃までのマーベルの歴史が通して読めるという意味でこれらのシリーズの邦訳は、ファンとしてとても嬉しい限りです。
実は、シールドの司令官ではなくなったアイアンマンのシリーズは一昨年アイズナー賞を受賞しており、ペッパー・ポッツがアイアンアーマー(女性専用アーマー)を着たりして、結構楽しめるストーリーですので、これも是非早めの邦訳を期待したいですね!。