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シネマの快楽 (河出文庫)
 
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シネマの快楽 (河出文庫) [文庫]

蓮實 重彦 , 武満 徹
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

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作曲家・武満徹(1996年没)と評論家で前東大学長の蓮實重彦による映画対談集である。武満は、尺八や琵琶をオーケストラに取り入れた『ノヴェンバー・ステップス第1番』などによって世界的に著名な現代音楽の作曲家だが、日本を代表する映画音楽作家でもある。黒澤明(『乱』)、成瀬巳喜男(『乱れ雲』)といった戦前からの巨匠の作品から、大島渚(『儀式』)、篠田正浩(『乾いた湖』)、中平康(『狂った果実』)といったヌーベルヴァーグの記念碑的作品群、小林正樹の『切腹』や『怪談』、勅使河原宏の『砂の女』といった異色作を手がけるなど、戦後の日本映画史に大きな足跡を残した。しかし何より、武満は自分の楽しみのために多いときには年に実に300本の映画を見るという大の映画狂であり、戦前にリアルタイムで山中貞雄監督の幻の傑作『街の入れ墨者』を見たという強者だ。

本書に収録された対談は1980年代のもの。東京・六本木の映画館CINE VIVANTで上映された映画群、『ミツバチのささやき』『カルメンという名の女』『ノスタルジア』といった優れたヨーロッパ映画をめぐって行われた熱のこもった対談は、対象となる映画自体の豊かさによって輝きが増している。当時『監督 小津安二郎』を執筆、映画雑誌「リュミエール」を主宰して、映画ジャーナリズムに大きな影響を与えていた蓮實重彦と、映画実作者・武満徹の交わす言葉は、まさに映画のもたらす「快楽」に彩られている。(折口ケイ)

出版社/著者からの内容紹介

ゴダール、タルコフスキー、シュミット、エリセ……名作の数々をめぐって映画の達人どうしが繰り広げる、愛と本音の名トーク集。映画音楽の話や架空連続上映会構想などなど、まさにシネマの快楽満載!

登録情報

  • 文庫: 301ページ
  • 出版社: 河出書房新社 (2001/05)
  • ISBN-10: 4309474152
  • ISBN-13: 978-4309474151
  • 発売日: 2001/05
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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By くにたち蟄居日記 トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫
 自分の「顔」を持つ映画館が時として存在する。

 池袋の文芸座、銀座の並木座、吉祥寺のバウスシアター、神田の岩波ホールなど いくつも名前が出てくる。六本木にあったCINE VIVANTも そんな映画館の一つだった。

 文化戦略をとったセゾングループの映画での「顔」を担った その映画館は 優れた欧州映画を独自で発掘し 上映することで一世を風靡した。ノスタルジア、ラパロマ、エルスールなどの 目の覚めるような傑作を日本に紹介した功績は本当に大きかった。

 映画のパンフレットも脚本を収録するなど 非常に充実していた。中でも 蓮見と武満の対談は ある意味で 映画の門外漢であるお二人の 映画への愛に満ちたものであり 繰り返し読んだことを覚えている。そう あのパンフレットを持っているだけで 文化の香りを身にまとったような気がしたものだ。
 思えば スノッブな話だが。

 そんな二人の対談が本になっているのを見つけた。

 蓮見が その後 東大総長になるとは思わなかったし 武満は既に鬼籍に入られた。20年という年月を経て もう一度 お二人の「放談」を楽しんでいるところだ。
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By 山科のうし トップ1000レビュアー
形式:文庫
もともとシネ・ヴィヴァンとかいう映画館の上映プログラムについて対談したものが様様な雑誌に載って、それを一冊の本にまとめたものらしい。だから最後の自由に語り合った最終章を除けば、そこで上映されたかなりハイブラウな映画9本についての対談である。そのうち私が見ているのは、途中で寝てしまった「ミツバチのささやき」だけ。にもかかわらず面白かった。ちなみに他には監督でいうとゴダール、タルコフスキー、ミハルコフ、シュミットなどの映画が取り上げられている。
およそどんなジャンルでも、その道によく通じていて、かつその世界をこよなく愛している人たちによる対談というのは、彼らにその愛情を表現する力さえあれば、これを聞いたり読んだりするのは愉しいものだと思う。この二人は、この頃は年150本程度しか(!)見ていないけれども、10年前までは300本ほど見ていたという映画好きであり、また蓮実重彦は言うに及ばず(さすがに対談ともなれば著書と違ってわかりやすい)、武満徹も見事な雄弁さを持って映画の魅力を伝える。武満徹といえば、私は高名な作曲家としてしか知らなかったが、岩波の『世界』に映画評を連載した知る人ぞ知る名文家らしい。何しろ同じ『世界』の映画評といえば、かつて埴谷雄高、安部公房、花田清輝、吉行淳之介などという錚々たるメンバーが書いていたというではないか。
話の内容は、私のような一般の映画ファンの目からすると高級だから、知識がなかったり理解できなかったりで、ついていけないことも多い。にもかかわらずそれがいっこうに苦にならずに、ここで話題にされる映画、今は安易な娯楽映画に流れがちな私には敷居の高そうな映画を見てみたい、という気にさせるのは、何といっても二人の映画への愛情と、それに類まれな鑑賞眼のせいであろう。さっそくビデオ屋に(本当は二人には映画館で見なさいと言われるだろうが)走ろうかという気になった。
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