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熱い思いを冷静に語る著者の持ち味が存分に発揮されています。巷の映画評ってのが、自らの思い入れにのめりこんでしまうスタイルが多いのに対して、独自の分析による鋭い評を加えながら単なる好き嫌いを述べるだけに堕することなく、ちゃんと内容紹介も織り込んでくれて、なおかつ、何に著者が心うち震わせたのかも分かる仕組みになっていますし、斬るべき作品は斬ってます。
氏持ち前の端正な語り口は人によって好き嫌いがあるでしょうが、出だしが「発端はこうだ。」 締めが「少なくとも私は、あふれる陽光を手のひらで掬って呑んだ、という不思議な満足感を覚えたものだった。」 こんな映画評、ほかの人じゃあ書けないな。
評の対象として、映画が単館上映の海外映画、本が翻訳小説にウェイトが置かれているため、それらに興味がある人には◎のお奨め。ハリウッド娯楽大作とベストセラーにしか興味ないって人は・・・大体、沢木耕太郎の本なんて手に取らないよね。
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