SID VICIOUSという人間を、その生涯・生き方などからパンクの精神として“尊敬”する人は多いが個人的にそれは違う気がする。
シドは決して人に誉められた生き方をしていない。親(ナンシーの親も含む)やピストルズメンバーにも迷惑をかけっぱなしであった。
だがそのパンクという名の自由で何事にも捕われないその心は、普段何かに捕われ、縛られながら生きる現代人の永遠の“憧れ”である。
著者はちゃんとシドは“尊敬”の対象ではなく“憧れ”の対象であるという事をきちんと書いてくれている。
シド直筆の手紙や写真が多く掲載されている事も嬉しい。
この本のメインであるナンシー殺しの真犯人は誰か?その記述は著者がかなりのシド寄りの人物である為に真実なのかどうかは疑わしい。
だがシドのナンシー殺しの疑惑についてこれほど深く掘り下げている著書はないと思う。
この本に書かれている事を鵜呑みにせず、自分なりに消化して吸収する事が大切だと思う。
真実はナンシーにしかわからないのだから。