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とは言っても本編はそういう「ドラマ再現もの」ではなく、一歩引いた視点でオリンピックを眺めつつのオーストラリア旅行記。マラソンに対する筆者の愛情も感じられたりして秀作です。
著者がオリンピックみたいなものが好きでないというのが、単純に迎合したり賞賛したりするのではなく、あくまで距離をおいた見方になっていて、オリンピックについて客観的に考えるきっかけになりました。
確かに今のオリンピックは何のためにあるんだろう。4年に一度のために誘致合戦をし、お金をばら撒き、そのためだけに作られる施設がある。巨大なマスゲーム(将軍様の御国のあれですね)のようだっていわれても仕方ないです。オリンピックが一つの市場になって、メダルの数で評価が決まる。
「参加することに意味がある」とグーベルタンがいったとかいわないとか。しかし、参加したことに意味がある選手がどれくらいたのでしょうか。オリンピックするために休戦だってできたオリンピアの精神なんてもうないんです。著者が書いているようにプロがあるスポーツははずして場所も全部ギリシャにしてしまえばいいと言う案に一票を投じたいと思います。
余計な話が長くなりましたが、これはそんな熱血な話ではありません。
日記風でもっと淡々とかかれています。村上春樹さんのエッセイをはじめて読みましたが、読み口が一様でなくてちょっと時間の空いたときに読める気軽さがあります。しかし、一方でオーストラリアという国やオーストラリアの人々や動物(だってタイトルはコアラ純情編ですよ)をきちんと紹介しています。「アダルトチルドレンとしてのオーストラリア」というのがあるのですが、オーストラリアってこんな風にしてできたんだ!でこんな見方があるんだ!へえと感心してしまいます。
旅行に持っていくとか、暇つぶしにとかとにかく気軽に読めて、意外な手ごたえ。おすすめします♪
またオリンピックのナショナリズム、コマーシャリズムに対しての批判も斜に構えるのではなく、クールでいてそれいて血の通っていて。以前から熱烈な村上春樹ファンでしたが、また心底惚れ直しました。
ただ、純粋なオリンピック観戦記というわけではなく。... 続きを読む
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