二巻にして最終巻。
読む前は物語に収拾つくのだろうか、と不安に思いましたが……
やられました。
全登場人物の胸の内に触れながら、
その後の歩みに希望を感じさせる展望をみせ、
見事に一作品として完結しています。
正直、わかりやすいハッピーエンドではありません。
しかし、
関わりあったそれぞれの言葉や行動が互いに作用しあって、
それまでの後悔や劣等感、挫折感といった思春期の暗い側面を
各人が受け入れながらも折り合いをつけ、
終わってみると何とも清々しい未来への希望に満ちている。
なにかが確実に解決したわけではありませんが、渦巻く感情が錯綜しながらも
前向きに歩んでいくという構図にとてもリアリティが感じられてすごい。
(並みの物語展開だと、どこか嘘くさくなってしまうものなのですが)
たぶん彼、彼女らはこの先もうまくいくことばかりではないのだろうけれど、
何とかやっていくのだろうなと思えます。
それぞれが自由に動いているのに物語としてしっかりまとまっていて、
本当にこの作者の力量ははかりきれませんね。
これからも香魚子さんの作品を楽しみにしています。