ブラジルの貧民街区で生まれたサンドロ。幼くして母親と引き離されロクデもない父親に育てられる。
が、やがて街中の道路で寝泊りする「ストリート・チルドレン」の一人になる。
自分で日々の糧を探さねばならない日々は強盗・引ったくりなどの犯罪に手を染め続ける。
そして蔓延する麻薬。シンナー。初恋も経験したが、相手は売春婦のような女性。
やがて逮捕され刑務所に投獄される。が、獄中で出会ったアレサンドロという自分と似た名前の男と意気投合。
刑務所を脱獄してからはコンビを組んで予想通りの犯罪遍歴。
初恋の女と再会し、母親ともめぐり会ってようやく幸運が微笑みかけたと思ったのだが・・・・・・。
貧困がいかに多くの子供たちの心を捻じ曲げ、荒んだ生活を送らせ、転落させていっているかということ。
そして大部分の子供たちは両親がいなかったり、両親から暴力を受けたり、捨てられたりで激しく傷ついている。
サンドロも母親に楽をさせたいと考えるのだが、真っ当に働いた経験がないので現実離れした夢のようなことばかり言っている。
それを心配して忠告をしてくれる周囲の人たちにも恫喝するようなことを言う。
バスジャック事件はそんな思い通りにならない自身の境遇への不満が爆発したような形になった末のことだったが、
そもそもサンドロにバスジャック事件を起こそうとする意図は無かった。
言わば相手に突かれてなりゆきで巻き込まれるように大事件に発展していったということ。
が、一度事が大事件となってしまっては最早後戻りは出来ない。
「貧困をバネに這い上がれる人間」もいるだろうが、それはやはり一握りの人間に限られるようだ。
多くの人間にとっては貧困は自身を破滅させ、自身と関わった多くの人をも不幸にさせる最大のものだということ。