世界の現実を直視すると、国家の理想と人類の理想は統一的に追求されない限りすべての人間が人間らしく生存する世界の実現は困難なようである。国家という枠組みの中で人類の普遍的な価値がいかに具体的に表現され、共有できるか。また、拡大し越えることができるか。それが現代の課題であろう。
シティズンシップ教育は、まさしく人類の理想につながる国家のあり方を追求する市民の育成という課題を背負って登場してきた。それだけに、今日の教育課題を打開する可能性への期待も大きい。
この本は、その意味で、根源的な問いかけを行っていると言えよう。