3・11の東日本大震災の直後、みずほ銀行はシステム障害事故を起こした。
最終的な報告書や独自取材を元に、障害の状況や直接原因を考察する。
みずほ銀行が問題なのは、12年前に第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行が合併する時にもシステム障害を起こしていること。
12年前の障害内容も振り返り、繰り返されるトラブルの背後にあるのは経営陣のIT無視の構造だと主張する。
また、合併記者会見におけるIT軽視発言を掘り起こす。その発言内容には、軽く目眩を覚える。
「ITに詳しくないからシステム担当者に任せる」ではなく、「ITに詳しくないから、詳しい次世代経営者を育てる」あるいは「詳しい人をCIOとして連れてくる」といったことは出来なかったのか。このままでは第3の大規模障害が発生すると警告する。
後者の方式で失敗を教訓に変えた事例として、東京三菱UFJ銀行や東京証券取引所などにも言及している。
最後には、システム障害を防ぐための地道で基本的な、しかし蔑ろにされがちな提案を解説している。
IT関係者以外に読んで欲しいということで、専門用語が非常に少なく、読みやすいと思う。
専門家は日経コンピュータを読んだほうが良いかも知れない。だが、体系化されてまとまっている本書も良い。