著者はデスマーチからのサバイバー(生存者)らしく、経験に基づいて語られるデスマーチの処方箋(というか予防接種)といった趣きの本です。
本の構成がよく工夫されていることに感心しました。
もくじさえ始まる前にいきなり「デスマーチ・チェックリスト」。
ここで4象限のレーダーチャートを作らせてから各象限(Bird View、Communication、Emotion、Feed back)の説明となる第'I部に第'II部の半自伝的デスマーチ論が続きます。
どんなデスマーチプロジェクトでもこれさえやれば抜け出せる、という銀の弾丸をこの本が提供してくれるわけではありません。
ただ、なぜデスマーチになるのだろう、どこでなにを間違えたのだろうと考える材料を提供してくれます。
自分が変わるための、組織を変えるための、手がかり足がかりがいくつも提示されているところに、著者の想いが伝わってきます。
第'II部は経営論にまで踏み込まれていますが、デスマーチに最も有効なのは、デスマーチを許さない経営層とそれに応えるメンバーたちなのかもと思いました。
デスマーチ真っ最中には考える余裕さえなかったりするかもしれませんが、せめてその後に来し方を振り返りつつ読んだり、今後の予防のために読むとよさそうな本です。
ところで、想定読者はIT関係の仕事をしている人たちにだけれども、ほんとうに読んでほしい人は一般の「サラリーマン」だと「はじめに」にはありましたが、出版社もタイトルも内容の語り口も、今のままではどうしてもIT系の人向けすぎるように思います。