世に残酷ブームを作った南條範夫の原作。一言でいってSMの世界。
封建主義やお家制度というものが跋扈する江戸時代において、虎眼流の名を汚さぬように剣の修行に励む藤木源之助と、その虎眼流を利用して出世を目論む伊良子清玄。一時は友情芽生えた二人も、やがては生きる目的の違いから対立を深めていく。
原作を読んだことがないので元ネタは詳しくわからないが、どうも山口さんのオリジナルな要素が強い作品らしい。「原作を読んで一気に引き込まれた」とは山口さんの談だが、この作品の背景にはエロスとタナトスといった精神世界があり、そしてまた、現代社会にも通じる社会的な矛盾を捉えた作品に仕上がっている。これは山口さん一流の業によるものなのだろうが、人間の心を深くえぐっている名作だ。
結末は、言うに及ばず圧巻の一言。