子供のとき初めて観て以来いつかシェルブールに行ってみたいという思いを持ち続け、45才のとき、五歳の息子を連れてパリからレンタカーを借りて思いを遂げました。このレビューのタイトルはそういう意味です。
※このデジタルリマスター版は字幕も書き直されていて、最後にジュヌヴィエーヴが「結婚以来 シェルブールに戻ったのは初めてよ」「田舎の義母の家へ娘を迎えに行ったの」「パリに帰るところよ」「回り道をして来たの」「会えるとは思わなかった」と言うシーンがあるが、ここは昔は『田舎』ではなく『アンジュー』と書かれていたような気がする。Anjouというのはノルマンディーの南西にあって、パリまでは高速道路A11号線一本道、300Kmくらいの距離にある。しかし、アンジューからシェルブールというノルマンディー半島の先っぽにある港町までは370Km以上有り(しかも高速道路は今でも無い)、そこからパリまでは更に355Kmもあるのである。アンジュー〜シェルブール〜パリの行程は、正三角形の二辺を走ると思えばよろしい。
つまり、ここを「アンジュー」とセリフで言わせる事によって、土地勘のある人(フランス人)には「そんなの絶対に雪が降っている夜道をたまたま回り道して来る訳が無い。ジュヌヴィエーヴはギーに会うために、本当のさよならを言うために、わざわざやって来たんだ」と分かるようになっているのである。新しい字幕が「田舎」と書いたのは悔やまれる。