前作『犬連れバックパッカー』に続いて、本作も楽しく読めた。
作者と愛犬たちの本領が発揮されるのは、旅先で人と出会うときだ。犬を連れて旅していると、老若男女、職種を問わず(ときにはヤクザも)、犬好きの善人と巡り会うことになる。そんな旅先での出会いを読んでいると、ああ日本もいいよなあとほのぼのとしてくる。
また愛犬ニホの追悼の旅では心の内面の描写が中心になるが、犬を飼っている人間なら避けて通れぬ道だけに共感をおぼえるし、つい涙してしまう。
本作には愛犬との旅以外に、ヒマラヤやニュージーランドの犬とのドラマも掲載されているが、今後は作者が旅先で体験した犬たちとのエピソードを書いてもらいたいと思う。あるいは作者が愛犬を連れて海外を旅して、その紀行文をじっくりまとめてもらいたいと思う。
本作を「愚痴と不満が多い」と評した人もいるが、私にはその感想は的外れに感じた。