相変わらず、自身と異なる考え方をする人に対する嫌悪・憎しみを
むき出しにして旅をしている様が見えてしまった。
特にかわいそうだと感じたのが、100名山の全踏破を目前にしている
夫婦に出会ったくだり。ものの楽しみ方は人それぞれで、マニュアル主義に
反対したい気持ちは十分わかるし、100名山至上主義に組しない筆者の姿勢にも
共感する部分はあるが、その夫婦に「あなたは100のうち、今何番目?」
と聞かれただけで瞬時に嫌悪感を抱いてしまうとなると、
これだけ大勢の登山者がいる国内の山にはもう登れないのではないか。
ニンゲンに出会わない旅を目指すしかないのではないか。
それはむしろ、とても不自然な旅ではないか。
小屋の運営・料金などにも不満があるようだが、きらいだ・不愉快であった、
というネガティブな感想のみなので、特に建設的な意味での
問題提起や改善案は読み取れない。
また逆に、出先で自分が有名人であると気付かれて歓待される・サービスされる
という記述が随所にあり、それを甘んじて受け入れて、また歓待してくれた人・施設を
大絶賛しているところを見ても、自分に良くしてくれる人は仲間・自分の意向に
そぐわないものは全否定、という姿勢が行間からはっきり読み取れてしまってとても残念。
私も矮小な自分を恥じる時が多々あるが、反面教師的な意味で自己反省の
良い材料となった。
ガイドブックとしては情報が不十分(もともとガイドブックを目指してはいないだろうし)。
雄大な自然や旅を楽しむ疑似体験をするための読み物としては、あまりにも視点が
寂しすぎる。
もっと心を広く持とうよ!でないと、見失うコトが多いと思うよ!
昔から、比較的よくこなれた読みやすい文を書く筆者だけに、もったいない。