寡作のエンヤの作品はどれも素晴らしいが、無人島にエンヤの作品を1つだけ持っていくことが許されるとしたら、私はこの91年リリースのシェパード・ムーンを選ぶ。タイトル曲の美しさは尋常のレベルではない。初めてこの曲を聴いたときに現代にこんな美しい曲があるのかと感激したものだ。そしてM7:ブック・オブ・デイズの圧倒的な素晴らしさ。捨て曲というものが全くないエンヤの全ての曲の中でも、上記2曲は突出している。タイトル曲を初め静謐な曲が多い中でM2やM7等がチェンジ・オブ・ペースの役割を果たし、絶妙なアクセントとなるアルバム全体の配曲も見事だ。聴く度に心がリフレッシュされる。
その大好きなアルバムの初デジタル・リマスター、SHM−CD盤だが、音質は完璧と言っていいと思う。多重録音されたエンヤの声の包み込むような豊かさと個々の楽器の音のクリアさが増し、まるで天上の音楽を聴くかのような清冽な響きに魅了される。
入手困難な3曲がボートラと収録されたのも嬉しい。また、91年盤に比べて、ジャケ写真と一体の、原歌詞を載せた冊子や、パッケージ・デザインもセンスのよいものとなった。だが、ウォーターマークでも述べたことだが、非英語の歌詞を日本語訳して欲しかった。特にブック・オブ・デイズは上記冊子に英訳もついているのだから。もっともやさしい英語だから十分意味は理解できるが。