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シェイクスピアのたくらみ (岩波新書)
 
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シェイクスピアのたくらみ (岩波新書) [新書]

喜志 哲雄
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

シェイクスピアは、観客の反応を計算し尽くして、その作品を書いた。では観客がどのように劇に向き合うことを、彼はたくらんだのだろうか。『ロミオとジュリエット』から『あらし』に至る戯曲群を、その作劇手法に焦点を当てて丹念に吟味し、ロマン主義以来の見方を一変させる、ラディカルなシェイクスピアの発見へと読者をいざなう。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

喜志 哲雄
1935年生まれ。1964年京都大学大学院修了。専攻は英文学、演劇学。現在、京都大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 208ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2008/2/20)
  • ISBN-10: 4004311160
  • ISBN-13: 978-4004311164
  • 発売日: 2008/2/20
  • 商品の寸法: 17 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By シネマA トップ500レビュアー
形式:新書
 すこぶる画期的な内容で、かなり示唆に富んだ本です。というか、従来の常識をひっくりかえすほどの挑発的な指摘もあり、目からウロコが落ちるかも。しかし、あくまでも初心者向けの通常のシェイクスピア入門書とは言いにくいので、やはり注意したほうがいいだろう。

 喜志先生は、劇作家が観客に情報を提供するための手法(たくらみ)、という一点にのみ注目して、シェイクスピアの豊饒な戯曲群を縦横無尽に読み解き、そこに現代においてもラディカルで普遍的な作劇術を見いだそうと試みています。

 ですから、シェイクスピアの代表作のほとんどにざっと目をとおして、なおかつ、入門的な解説書を読むなどして、個々の作品についての一般的な理解と評価基準を、自分のなかにすでに持っている読者は、きっと、本書から新鮮な刺激を受けるのではないかしら。

 もっとも、私はその方面の研究者ではないので、論旨のどこからどこまでが著者の独創なのか、まったくわかりません。けれど、たとえば、シェイクスピア作品について、なにかレポートを書くためのヒントを捜している文学部の学生のかたがいたとしたら、短時間で読める薄い本でもあることだし、参考書として一読の価値はあるような気がします。
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16 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ask
形式:新書
 私はなぜか戯曲はまず読みませんので、当然シェイクスピアも殆ど読んでいません。読んだのは「マクベス」「ハムレット」「ロミオとジュリエット」だけ。
 そんな私が、なんで今更こんな本を読む気になったのか?
 と言っても、さしたる理由はありません。本屋でたまたま目について、単純ですが、タイトルに惹かれた、というのが正直なところです。「本と目が合った」などと表現する人もいますが。大体「たくらみ」とはおだやかではないではありませんか? 一体どういうことなのだ?と好奇心をくすぐられたわけです。
 で、結構〈目ウロコ〉ものでした。シェイクスピアは極めて有名と言うか、古典中の古典、誰でも知っている大作家なわけで、今でも常に世界中で上演、映画化され続けている「不滅の詩人」です。なので、あまりに当たり前すぎて、映画などで何度も見知ったつもりになっており、今更わざわざ読む人は少ないのではないか?とも思うのですが、私もそうなのです。
 この本では多くの作品の設定、ストーリー展開を簡潔にまとめた上で、そこに仕組まれた絶妙な仕掛けを解明しています。そこに現れて来るのは「観客の反応を計算し尽くして、どのように劇に向き合わせるかを企んで書いた」という彼の方法です。あらかじめ展開を明示してしまい、観客に一歩引かせた視点に立たせて感情移入をあえて妨げる、とか色々な技法を駆使しているのです。
 実は私は、彼があんな昔にこれほどモダンな手法(それはブレヒトを先取りしている)を既に実現していたということを知らなかったのです。そういう意味で非常にエキサイティングな本です。錯覚かも知れませんが、シェィクスピアの多くの作品群を読んで堪能したつもりになれる、という意味ではお得感もあります。おすすめ。
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6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 九月
形式:新書
シェイクスピアの戯曲を、
観客のへの意識という視点から解説した本。
ひとつひとつの解説は長くありませんが、
そのぶん多くの作品が扱われています。

シェイクスピアが戯曲をつくるときにしかけた、
それを見る観客と舞台との「距離」。
ある戯曲では観客と舞台上の人々が同化するよう試み、共感を誘い、
ある戯曲では観客は舞台上の人々が知らないことを知り、優位性をもつ。
それぞれの距離が、それぞれの戯曲をより楽しめるように
たくみにしかけられている。。
シェイクスピアの作品は好きだけど、
彼の作品が忠実に描かれる舞台を見たことはないので、
その「たくらみ」を意識したことはなく、興味深かったです。
しかもシェイクスピアが主に意識したのは、とうぜん
彼が生きた時代の英国の人々なので、
彼らがもつ一般常識レベルの知識が自分にはかけており
シェイクスピアの「たくらみ」に全然気づけていませんでした。
この著の中では、繰り返し「・・・という見方は素朴で軽率」など
単純な見方に対する注意がうながされていますが、
私自身の作品の楽しみ方はその軽率そのものでした。
とはいえ、シェイクスピアの作品は、単純に楽しんでも楽しいものですが。
けれど、著者の視点を借りて読むと、そのたくみさ、狙いから
新たな楽しみ方もできそう。
シェイクスピアを再読したくなりました。
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