エミリーの明るくスィートでチャーミングな歌声は、数いる女性ジャズ・シンガーの中でも、大のお気に入り。
彼女のアルバムは、どれも親しみやすくて、木洩れ日溢れるお洒落なカフェや夕日と夜景が綺麗な小粋なレストランで気軽に戴ける料理のような感じ。でも、単品じゃないですよ。色んな食材が使われ味付けされた、それは美味しい手料理です。
彼女の日本デビュー盤「
ライク・ア・ラヴァー」や、2009年の「
Haven't We Met?」も大好きですが、エミリーの魅力がぎっしり詰ったアルバム「the very thought of you」が、一番のお気に入りです(amazonのアメリカ・サイトで試聴可)。
エミリー自身が編曲と指揮もやっているそうで、明るく澄んだ伸びのある高音域の声やちょっぴりスモーキーな低音域の声も、曲そのものの特徴や編曲で上手く使い分け、ニュアンスやウイットに富んだ多彩な演奏と歌声で楽しませてくれます。
歌手としてだけでなく、音楽家&プロデューサーとして曲全体・アルバム全体を作り込んでいく才能たるや、凄いの一言。バックにストリングスも加えて、彼女の声質や音楽に味付けしていくところはさすが。しかも、いくらお代わり(再聴)しても楽しめるテイスティングはエミリーならではのもの。
とにかく、1曲目の「the very thought of you」から、いきなりエミリーの世界! 3曲目のナット・キング・コールの名演で知られる「O Pato (The Duck)」や 6曲目の「What a Little Moonlight Can Do」といった、コミカルな高速スキャットもお見事。
スタンダードなジャズナンバーやボサノヴァ、情感とニュアンスに富んだ「My time Of Day/I've never Been in Love Before」といったバラード、「C'est Si Bon」や「Les Yeux Ouverts(Dream A Little Of Me)」といったフランス語で歌う洒落た曲まで、多彩な選曲と彼女自身の編曲で構成されたアルバムは楽しさ一杯です。
ちなみに、このアルバムは、カナダの2008年ジュノー賞(米国のグラミー賞みたいなもの)で、ボーカル・ジャズ作品部門にノミネートされた秀作です。あなたも是非、ご賞味あれ。