敢えて言おう。このアルバムだけを聴いてスミスを語ってもいいと思う。
『ハットフル・オブ・ホロウ』以後のシングルが丁寧かつ絶妙な順序で並んでいる。
実は『ハットフル・オブ・ホロウ』迄の録音環境は良くなかったようで、音のクリアさが
それ以後と全く違ってしまっているのだ。それを考えずにヒットをぶち込んだのは
『Louder Than Bombs』である。愛情があるとないとではこうも違うものか。
この『ザ・ワールド・ウォント・リッスン』と是非聴き比べて見て欲しい。
その意味ではここでは、録音も良くなり、バンドとしてのコンディションも良く、
楽曲も良いと三拍子揃った素晴らしいベストアルバムである。
通常「初めて聴くアーチストはベストから聴いてはならぬ」が身上の自分でも、
このアルバムだけは別だ。あらゆる場面でこの気持ちよさそうなモリッシーの
“うた”を、マーのギターを聴いて欲しい。
良い時代のよい背景がバランスした素晴らしいコンピである。
あとひとつ、シングルカットされずにお蔵入りした佳作
“You just haven't earned it yet baby”のバージョンは、本アルバムと
『Louder Than Bombs』では別である。
シングルカットさえされなかった曲なのに面白い事である。と言うわけで、
聞き比べる意味でも、バージョン違いを愉しむ意味でもどちらも買ってほしい(笑)