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12 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
読書の楽しみ,
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レビュー対象商品: ザ・ロード (ハヤカワepi文庫) (文庫)
割合読書が好きで、それなりの本を読んできたつもりでした。しかし初めてマッカッシーの本作を読んで大げさな言い方、 感受性のレベルが一段上がったよう思いがしました。 小説家に限らず芸術家は作品が対象物よりも作品のほうがより存在感と 生命力が無ければ創作する価値が無いということを話します。 マッカシーの作品は実際自分で見た対象物より、もっと強烈にその文章から 鮮明に自分の中に再現されるような体験ができます。 ゆえに興味本位で見た映画版は、映像の限界あるいは活字の無限の可能性を 再認識させるものでした。 なにより大衆迎合のプロットはすべてをぶち壊すものですね。 マッカーシーの作品に触れたことにより読書の楽しみと小説の無限の可能性 が再確認できました。 惜しむらくは自分にせめて邦訳の日本語のニュアンスの理解力と同等の英語力があって、 原書で読めれば僕の人生は釣り竿、酒瓶、本この3種の神器で最上なのにな。
16 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
息子をもつお父さん、必読! でも決して読みやすくはないです。,
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レビュー対象商品: ザ・ロード (ハヤカワepi文庫) (文庫)
この小説はすごいです。衝撃的です。でも、決して読みやすい本ではないので、 流し読みではなく、じっくりと腰を据えて読んでもらいたい。 あと、せめて、この小説は核戦争かなにかで、廃墟と化した アメリカで、そこに生き残った父と子がふたりで、 暖かい南を目指して旅をしている、という前提くらいは 押さえたうえで、読み始めるのがいいと思います。 ちょっとした父と子の会話が、ものすごく心に響きます。 というか、打ちのめされます。 文体もちょっと特殊だけれど、読み進めていくうちに 慣れていくので、がんばってください!
15 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
人間が人間でいられるぎりぎりの存在感を描いたピュリッツァー賞受賞作,
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レビュー対象商品: ザ・ロード (ハヤカワepi文庫) (文庫)
コーマック・マッカーシーという作家は、’07年度のアカデミー賞で作品賞をはじめ4部門を受賞した映画≪ノーカントリー≫の原作『血と暴力の国』を読んで初めて知った。彼は実はアメリカを代表する文芸畑の巨匠で、『血と暴力の国』のようなクライムノヴェルを書いたこと自体が異例で、話題になったそうである。 そこで本書であるが、’07年度のピュリッツァー賞に輝いたベストセラーの、待望の文庫化である。 舞台は核戦争か異常気象で破滅した近未来。日が照らない空は分厚い灰色の雲に覆われ、地上は荒れ果て植物は枯死し動物の姿を見ることはほとんどない。わずかに生き残った人間は飢え、無政府状態の中で凄惨な争いを続けている。 そんななかで名も無い父と息子が、暖かいだろうと思われる南を目指す物語である。ショッピングカートに荷物を積み、道々で食料と物資を探しながら・・・。 旅路で襲われたり、飢餓の恐怖に苛まれたりするスリルはあるものの、これは派手なパニック小説ではない。不気味なぐらい静かで穏やかだ。すでに悲嘆に泣き叫ぶ段階は通り過ぎているのだ。生と死の境界線のあたりをさまよいながら旅するふたりの姿は、人間が人間でいられるぎりぎりの存在感で迫ってくる。それは、息子があくまでも“純真・純粋”に描かれ、彼を守る父親にとって息子が“世界”のすべてだからだろう。 本書は、『血と暴力の国』同様、「心理描写がほとんどなく、会話に引用符をつけない」マッカーシー独特の文章といい、そして本書の「章立て」という区切りのないスタイルといい、彼ならではの独自の世界が展開された傑作である。
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