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コーマック・マッカーシー (著), 黒原敏行 (翻訳)
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商品の説明

内容紹介

世界は本当に終わってしまったのか?

滅びゆく大陸を漂流する父と子の
壮絶な旅路を描く、巨匠の代表作。
ピュリッツァー賞受賞。

【本書より抜粋】

友達はいた?
ああ。いたよ。
たくさん?
うん。
みんなのこと憶えてる?
ああ。憶えてる。
その人たちどうなったの?
死んでしまった。
みんな?
そう。みんな。
もう会えなくて寂しい?
うん。寂しい。
ぼくたちどこへ行くの?
南だ。


内容(「BOOK」データベースより)

父と子は「世界の終り」を旅する。人類最後の火をかかげ、絶望の道をひたすら南へ―。アメリカの巨匠が世界の最期を幻視する。ピュリッツァー賞に輝く全米ベストセラーの衝撃作。

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12 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 「世界」と「運命」の物語, 2008/11/5
物語は(おそらく)核戦争で破滅した世界、灰が降り積もり、地球は核の冬を迎えている。
そんな世界を父親と子供が南に向かってひたすら旅を続ける・・・こう書くとこの物語は典型的な近未来終末SF物語に思えます。
ただ他のレヴューにもあるように、それだけでこの物語を読むと、なにか物足りなさが残ります。
(SF小説としては細部の説明があまりも不足していますし。物語の起伏もあまり少ないです。)
ただ作者の前作「血と暴力の国」からの流れとして捉えると、作者が書きたい本質は別のところに存在しているように思われます。

それは「ひたすらに悪くなる世界」と「運命」ということではないでしょうか。
過剰なまでの残酷描写も、現実世界を見ればあながち物語の中だけのフィクションとも言えないです。
「血と暴力の国」で描かれていた現実社会における「悪」が拡大していけば、人間はどこまでも残虐になっていきます。
時代は更に悪くなり、人の持つ小さな良心でさえ維持する事が困難になりつつあります。
そんな狂った世界でも人はそれぞれ「運命」を背負い(火を運び)、時に悪や善と交わりながら行きて行かなければならないのではないでしょうか。
人としての最後の一線でぎりぎり踏みとどまる主人公が体現する過酷な現実は、我々の眼前にまで迫りつつある現実世界の比喩としてリアルに感じることができます。

最後に子供を持つ一人の父親として、この物語はあまりにも辛く、せつないです。(特に子供の寝顔を見つめるシーン)
軽い気持ちで読むことはあまりお薦めできない1冊です。
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24 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 父親の無償の愛、息子の成長。人として生きる旅, 2008/7/21
灰が降り積もる荒涼たる風景。既に動植物は死滅した凍てつく不毛の大地を父親と幼い息子は旅を続ける。

父親にとって少年は光だ。唯一つの、生きている意味だ。
生き延びるため、少しでも暖かい南へと向かうが、そこに何があるのか?
この世界で確かなのは父親の少年への愛だ。少年を守るためなら殺人も躊躇しない。
しかし、この絶望の世界に幼い息子を一人残していかなければならなくなったら…。もし、この光が、欲望を剥き出しにした殺戮者達に散らされ焼かれ喰われてしまうくらいなら…。父親は拳銃を少年に手渡し抱きしめる。「やり方はわかるだろう。口に入れて上のほうへ向ける。すばやく力いっぱい引く。わかるな?」
自分たちに差し迫った死をかわす度、幸運というものは幸運ではないかもしれない。もう終わってくれればいい、と父親はずっと願っている。

少年は、荒廃した、人が人を喰らうこの世界で、父親に問う。「ぼくたちは誰も食べないよね?」
「僕たちは今でも善い者なの?これからもずっとそうだよね。」
自分たちの荷物を盗んだ男にさえ「お願いだから殺さないで。助けてあげてよ。」と父親に懇願する。
少年は純真無垢で、そして残酷だ。
「パパはほんとに勇敢なの?」
「ぼくが泣いちゃいけないんならパパも(夜中に)泣いちゃいけないはずだよ。」
少年も父親の愛と自分たちが生き抜くための行為に葛藤を抱える。病に侵され死が間近に迫る父親を見つめる少年は、もう幼いだけではなく父親との間に距離ができ始めている。

地球環境を破壊し、人の文明も歴史も消滅させた今は自らの種族をも狩る獣と化した愚かな生き物。
この灰色の世界で常に死を感じながら、自分たちは『善い者』と信じ、『人』として旅を続ける父子の姿が愛おしい。

「訳者あとがき」によると本書も映画化され既に撮影は終了しているとのこと。この心に深く沁み込むような印象的な父子の会話を映画公開前に原書で読んでみたい。
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30 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 ベスト1の衝撃, 2008/6/26
エンターテイメント・ウィークリーという洋雑誌の企画で、ここ25年のベスト本の第1位に
選ばれていたので購入した(ちなみに、2位がハリー・ポッターで、10位が村上春樹の
「ねじまき鳥」)。読み始めたら手が止まらず、久しぶりに朝まで読みふけってしまった。
第1位というのも納得の読み応え。

内容はと言うと、生命がほぼ死滅した北米大陸を、父と息子が旅するロード・ノべルだ。
なんらかの理由で文明は完全崩壊し、空は灰色の雲に覆われ、気温は
石がひび割れるほど低い。そんな世界で、父子は暖かい南を目指し、
ボロボロの地図を手にひたすら歩いていく。食料は乏しく、野蛮人と化した者たちに
襲われる危険が常につきまとうが、父は息子を必死に守りつづける。
いったい、二人の旅の終わりには何が待ち受けるのか……。

この本の何が恰好良いって、それは父と子の会話だ。本のカバーにも
引用されていたが、本を置いた後でも印象的な台詞が次々と脳裏に甦ってくる。
お互いを気遣う父子のやりとりにはついつい涙腺がゆるんだ。また、最初はなかなか
慣れなかった著者独自の文体も、だんだん身体に馴染んでくると読むのが快感になってくる。
そしてやはり、ラストの感動と衝撃が忘れがたい。読了の翌日は、ずっと
最後のシーンのことを考え続けていた。
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