この作品を観て感じたことは、月面着陸はNASAの偉業であるが同時に人類が成し遂げたことでもあるということだ。当初はソ連との宇宙開発競争の中でアメリカが苦し紛れに行った計画だったのだろう。(なにしろそれまで宇宙開発はすべてソ連が先を行っていたから)だが、しだいに世界中を巻き込んだ大計画となった。だからこそ今でも偉業として語られるものとなったのであるし、これからも偉業として語り継がれていくことだろう。
私は映画ではめったに泣かないのだが、不覚にも2つのシーンで泣いてしまった。ひとつは打ち上げのシーン、もうひとつは帰還のシーンである。普通に考えれば泣くシーンではない(特に打ち上げでは!)。しかしこの映画はそれまでのプロセスを丁寧に描いているために、苦労や悲しみを映画の中の”彼ら”とともに分かち合うことができた。この映画はそんな映画である。映画の中の人々と同じ時間や感情を共有することのできる映画である。
私は宇宙が好きで、宇宙工学を学んでいる。しかし目標を見失っていたように思う。そんなときにこの映画と出会った。彼らは月という夢を追いかけ、夢をつかんだ。その姿を見て、私は何を目指してきたのか、何をしたいのかを思い出すことができた。そういう点でも、この映画はもしかしたら一生に一度出会えるかという、私にとって生き方に響くであろう特別な映画になった。