いきなり第1章初めのタイトルが、「おにぎり」である。
小泉首相の訪朝の際、北朝鮮が拉致問題について何を言い出すか分からない以上、
ランチやらパーティーやらの招待を受けるわけにもいかないので、
政府専用機で水とおにぎりを持っていったという。
そうしたら、北朝鮮は「拉致被害者のうち8人は既に死亡」という衝撃の調査結果を報告。
日本の国民感情を配慮して食事を断っておいたのは、正解だったというわけだ。
北京生まれ、ワシントン勤務という筆者の人脈をフル活用した膨大なインタビューを経て、
外交の深意と真意を秘めたエピソードの数々が、細やかに紹介されている。
取材相手のほとんどが実務担当者だからだ。
6か国協議に加わる国同士はもちろん、各政府も一枚岩ではないという事実が、外交の妙味。