本アルバムは、喜多郎の金字塔といえる曲「シルクロードのテーマ」を冒頭に、NHK特集「シルクロード」シリーズで使われた曲を集め、最後に玄奘三蔵に捧げた曲(後半部にアルバム「Thinking of You」のマーキュリーを起用)で締めくくっている。
現在、喜多郎の活動の柱の一つは、アルバム「空海」シリーズの制作であり、仏教がシルクロードを経て日本へ伝わった時間と空間を表現しようとしている。
本アルバムはその出発点としての位置づけ。
冒頭曲「シルクロードのテーマ」は、アルバム「絲綢之路」に収録されたものと比べて楽譜的には変更はないものの、新たな音で再編曲した結果、より明るく伸びやかなものになった。
トラック7の「遙かなるタクラマカン砂漠」を聴いておやっと感じた。
これはアルバム『シルクロード〜絲綢之路II』のトラック2の「流るる砂」の新編曲版だ。
『シルクロード〜絲綢之路II』には冒頭曲「静けさの中で(はるかなるタクラマカン砂漠)」があるにもかかわらず。
このようなタイトル移設・変更は混同を招くもので極めて不適切であるが、曲調からすると、元々アルバム『シルクロード〜絲綢之路II』でのタイトル表記が誤っていたのではないかと考えられる。
「静けさの中で(はるかなるタクラマカン砂漠)」のサブタイトル“はるかなるタクラマカン砂漠”は、「流るる砂」のサブタイトルになるはずだったのではないだろうか。
収録曲のうち5曲は1988年のアルバム「THESE 10 YEARS」に収録されている新編曲版で、他の曲とは編曲年代の違いから演奏音の違いも大きく、違和感がある。
1980年以来の喜多郎ファンの私としては、納得し難い。
このような曲の選び方はレコード会社側で行ったと考えられるが、ベスト盤の作り方として下手である。