サンタナさんは『キャラバンサライ』『ハバナムーン』
『ジバップ』などの名盤があるから、
自分はアルバムアーチストだと思っていました。
だから正直このベストには、期待していませんでした。
“ありがちの無難な曲が並列的に並んでいるだけだろう”と思ってました。
ある意味そうなんですけど、何がいいって、ジョージ・マリオによる
リマスタリングが気持ちよく決まっている。
小さなクラブの前の方で、サンタナバンドの演奏を聴いてるような
リアルな音質、音場、臨場感。すごくいいです。
一音聴いただけでそれとわかるグレッグ・ローリーのびろびろとひろがるオルガン、
複数のパーカッション、野太いベースライン、それらの真ん中で
サンタナでしかない独特音色ギターが響きわたる。まったくクリアーに。
選曲もラテンフレイヴァーいっぱいの楽曲を連打してくるので、
よけい「サンタナバンド・ライブ・イン・小さなクラブ」という雰囲気が醸し出される。
5曲目にしてようやくサンタナが作曲した曲が登場し、
それは夕陽をバックに野外スタジアムで気持ちよさそうにギターを弾きまくるような
インストナンバー。それが終わるとパーカッションに導かれて始まるヴォーカルナンバー
(『ムーンフラワー』から)。
やっぱこのアルバム、並の選曲じゃないですね。
7、8、9、10曲目はアメリカ人たちが好きそうなヴォーカルナンバー。
ヴォリュームゾーン対応が終わって、
さてまたやるかと、おもむろにサンタナのジャージーなギター。
いい感じだ、このまま突っ走ってくれー、という思いは叶えられて、
ひたすら気持ちよくサンタナサウンドが続く。渋い、この選曲。
ここにこれをもってくるなんて。
次は『ジバップ』からのヴォーカルナンバーだけど、
いつもこの曲は飛ばして聴いてました。でもジョージ・マリオのマスタリングが冴え渡っていて、
アルバム収録時とはぜんぜん違う曲として生まれ変わってました。
というように安易な寄せ集めベストではありません。
スリーブには、ジャケット付きで収録曲のアルバムが紹介され、
詳細なサンタナバンドのメンバーの変遷図(樹形図)もあります。