新譜が2枚組ですべて新曲。 ジャケットには何も描かれず「ザ・ビートルズ」とのシンプルなタイトル。 細いレコード帯には ”最新録音盤 ”とだけ書かれ、解説はなく
ポートレートと大型ポスター兼歌詞カードのみ。 4,000円という高価な値段ひとつ取ってみても、郵便局のバイト時給がたしか100円ぐらいだった時代で、レコードの値段
そのものが高かったのですが、当時はEPレコードでさえ400円。 今の感覚ではアルバムに匹敵します。 そんな時代にこの値段でこのボリューム。 全てが常識破りの
アルバムでした。 しかも「オブラディ・オブラダ」のシングル以外、このアルバムでしか聴けない曲ばかり。
「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」がラジオでかかった時、6曲目の「コンティニューイング・ストーリー・オブ〜」のラストの掛け声も聴こえる事があり、「ホワイト・アルバム」
の存在が見え隠れして・・・。 わたしは発売から数年間買えなかったので凄くうらやましかったです。 またこれを機にライヴ盤以外でもロックの2枚組が増えたと思います。
驚くべきは来日のころからわずか2年後に、こんなアルバムが制作されたこと。 「抱きしめたい」のころからだって、たった5年です。 その短期間で音楽に革命をもたらし、
注目された中での新譜がこの大作だった事も驚きというほかはありません。 LPレコードの存在感は今でも断トツです。
ビートルズ10周年の時、ビートルズ・アルバムの購入で ”ビートルズ読本 ”(アップルの表紙で写真付きディスコグラフィー)がもらえたのですが、店に ”2枚分の値段のレコードを
買うんだから ”と粘りに粘って2部もらいました。 その時最後に手にしたビートルズ・アルバムがこれでした。
今ではつい気軽にCDを聴いてしまいますが、やっと買えた時の事を忘れずにいたいものです。 ターン・テーブルに乗せる時は、他のレコードより扱いに気を使いました。
やはりこのアルバムは重みが違います。 まるで4人のソロ・アルバムだと言われる事もありますが、アルバム・タイトルが「ザ・ビートルズ」というのは皮肉です。
「ホワイト・アルバム」がどれほどの名盤かどうかの議論って昔からされてますが、われわれの世代にとってこのアルバムはそんな事とは関係なく、ビートルズ後期のステータスな1枚
として重要なものです。 「ザ・ビートルズ」というカタカナ表記の字体そのものにも重みを感じる特別なアルバムです。