この本では、80年代に鳴らした投機家デニスとエックハートによる実験「優れた投資家は教育によって作られるか否か」の経緯と顛末をまとめている。
タートルズの投資技術自体についてはカーティス・フェイスの著書の方が詳しいが、ここに書いてあることも基本はそれほどちがわず、トレンドフォローとリスク管理の仕方だ。ただし、カーティスに対する著者の見方は一貫して懐疑的である。
実験終了後も投資業界に残った者たちは、エックハートも含めて、ネットでその公開リターンが確認できる。確かに、カーティスがトレードの世界から脱落し、同じタートルのジェリー・パーカーや、セーラム・アブラハムらがリーマンショック後も依然として高いリターンを上げ続けているのを見れば、トレード技術はともかく、カーティスへの信頼は若干注意が必要かもしれない。カーティスの本が、彼がタートルズであった時のことを中心に書かれているのに対し、この本はタートルズの実験が終了したあとの顛末も書かれている点が有益だ。カーティスは、リスクの取り方も含めて、デニスに近く、パーカーはエックハートに近いように思え、リスクに対してはより慎重だ。生き残っているのは後者。