サアサア、世ニモ珍シヰ『観テイルト、ストレスガ溜マルアクション映画』ダヨ!
購入の際には『トム・ヤム・クン』や『マッハ!弐』など、スッキリ爽快系(『マッハ!弐』はアクションのみを楽しみましょう)のアクション映画を既に所有しているか確認して、持っていないのならばこれを機に購入しましょう。
冒頭の通りこの映画は、観ていてストレスが溜まるタイプのアクション映画です。主人公は、極めるべき所で極め切れません。後半は頑張りますが、前半に比べて敵が弱くなっているだけという気がします。
ボスや中ボスとの戦いは、後半に固めることなく、バランスよく配置すればよいと思います。何も序盤では勝たなくてもいいのです。序盤で負けた敵に後半で勝つ展開は燃えますが、序盤で雑魚に負けて、後半に初めて戦うボスに勝っても特に感動はありません。
この映画の主な問題点は二つ。
1.主人公の動機不足
2.無駄なリアリティ
1.に関して。
トニー・ジャー映画の面白さは単純さにあると思います。象を、あるいは仏像を取り返しに、ムエタイマスターの青年が都会で大暴れします・『失ったものを取り返す』という、これ以上なく明快で分かりやすいものです。足りないものを手に入れる物語というのは、定番ですが面白いものです。
対して、この映画の主人公は何をしたいのかいまいち分かりません。都会に出てきてシラットを教えようとするも、あてにしていた道場が潰れていた事で路頭に迷い、なんか成り行きで自分の財布を盗んだ少年の姉を助け、人身売買組織と戦う羽目になります。女を助ける理由は特にありません。いうなれば主人公が、純朴でいい奴だからです。まあでも最初に女を助けたときの様子からすると、職が見つからない憂さ晴らしをしたかっただけかもしれないと思えてきます。
田舎で居場所を失ったわけでなく、ただ家のしきたりで都会に出てきて、何の恩もない女を助けた為に○を○う。
ただの馬鹿に見えます。もしかすると、これこそが、自分のような者の知らない、義侠心というものでしょうか。
2.に関して。
敵が弱くなる後半以外、主人公は四人以上の敵に勝てません。たとえ相手が雑魚でも。二人くらいなら相手に出来ますが、それ以上だと二人を相手にしているうちに他の人間からの蹴りが来ます。一度ぶちのめした敵も、何秒かで戦線に復帰します。確かに実戦ではKOはほぼ無いですが、アクション映画ではなかなか見られないリアリティです。悪い方向に働くリアリティですが。
何か、気分転換にシューティングゲームをしたら、敵の装甲が無駄に厚くて、逆にストレスが溜まったとか、そんな感じです。
そこそこ好きな作家である深見真さんのツイッターを見て購入しましたが、期待していたシラットアクションも大した数があるわけでなく、期待はずれという感じでした。
まじめに観るのではなく、物珍しさからという方はどうぞ購入を。そうでない方は…………まあ、あれで。