イヌネコの本は枚挙に暇がないのに、小鳥となると書店でも見出すのがひと苦労。あったとしても、インコ、カナリヤ、ブンチョウなどが同居するものが多い。
本書は、徹頭徹尾「セキセイインコ」だけに拘りぬいた稀少本だ。生態や習性の話から、実際にコンパニオン・バードとして家族に迎えての過ごし方まで、痒いところに手が届くとはこういうことか、と感じる内容である。
セキセイインコの写真は、羽色の図鑑か見本帳のような、止まり木に止まって2羽でじゃれ合って、といった姿のものが多いかと思うが、写真家の拘りなのか、本書では羽を広げて飛んでいるインコの姿が目立つ。そういえばインコだって立派な鳥で、空を飛ぶのは当たり前なのだが。思い切り飛び回るインコたちは皆気持ちよさそうで、見ているだけで和んでくる。
だから、巻頭すぐに見開きで掲載されている、何千羽という野生インコの乱舞シーンは大迫力で、インコ大ファンなら死ぬまでに一度はナマで観たい、という気にさせてくれる。
原著が“ドイツ製”なので、文章にいかにも「翻訳しましたっ」という匂いがあるのが気になるが、説明は微に入り細を穿って非常に懇切丁寧である。原文がそうかは定かでないが、非常にユーモア溢れる文体で、子供にも親切な内容だ。だとして、活字が小さく振り仮名もないのはちょっと、という気がするが、まぁそこは、親御さんが読み聞かせでカバーすればよろしいかと。お子さんには写真を見ているだけでも可愛くって楽しいだろうから。
とにかく、セキセイインコ・フリークならば涙を流して喜べる、一生の“お宝”もの。ぜひ座右に置こう!