日本国内で行われているイルカ漁や国際捕鯨委員会の「断片」を知るにはよく出来た映画かも知れません。でもやはり違和感ありました。
健康上の理由でベジタリアンの僕にとって、肉はどれも食べないのでイルカもクジラも牛も豚も鳥も立ち位置は一緒、どれも可愛く尊い命です。
前半に登場するイルカ達が愛らしい事は認めますが、豚/牛/鶏を食べる欧米人がイルカやクジラで騒ぐのに激しく違和感を感じます。
理由1関係者による「イルカは可愛い。賢い」という感情的な思い入れの要素が強い。
理由2元イルカ調教師である主人公リック・オバリー氏の懺悔的な要素が強い。
理由3イルカ、クジラ肉の水銀含有料など、理論的な裏付けに乏しい。
理由4あらゆる動物を殺し食べて来た人類にとって今更取沙汰する問題なのか?
理由5イルカはダメで、狭い小屋で飼育され最後は屠殺される豚/牛/鶏などはなぜ許されるのか?牛だって可愛いし賢いと思うのだが。
理由6国際捕鯨委員会という政治の場へのプロパガンダ。
理由7環境問題などに話をすり替えてる。
この映画見て残酷だとかやめさせないととか思ったら豚/牛/鶏の屠殺シーンも見た方がいいです。おんなじかそれ以上に残酷ですから。
ある国ではペットでも別の国では食材だし、ある国では神様でも別の国では食材です。
とはいえ映画から伝わってくる情報だけで見る限り、捕鯨問題やイルカ漁に関する日本人出演者(官庁や地元の漁師)の対応はお粗末そのもの、観光に生きたイルカを使いながら、レストランでその肉を出す様子の滑稽さにある種「原発村」に近いものを感じた。
対して制作者は感情的でドキュメンタリーとはいえ、恣意的に日本を揶揄した表現であることなどから、どっちもどっちだという感触。
日本人出演者の滑稽さも演出の効果による所かもしれない。
このどっちもどっちな感情論に漁師の生活保護、役人の建前、国際政治、資源環境問題、欧米至上主義などが複雑に絡んで捕鯨問題を難しくしてるんだろうなと思いました。
問題提起としては良いきっかけになりましたが、この映画だけを見てそれを真実として100%とらえてはいけない。自分なりに多方向の情報収集してこの問題を考えてみる必要があると思いました。