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ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争 下
 
 

ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争 下 [単行本]

ディヴィッド・ハルバースタム , 山田 侑平 , 山田 耕介
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

いよいよ中国軍と米軍が激突!

雲山での待ち伏せ攻撃で大打撃を被った
米軍は、事故死したウォーカーにかわって
マシュー・リッジウェイを現場指揮官に選ぶ。
一方の中国軍は、農民の将軍と呼ばれた
彭徳懐が再度38度線を超えてソウルを奪回。
マッカーサー、毛沢東というともに
政治を戦場の現実に優先させる上司をいただく二人は、
双子トンネル、原州、砥平里であいまみえる!

自身の栄達か、部下のいのちか
現場の血の肉声か、独裁者の欲望か
軍人の野望か、文民の意志か

現代史を描く畢生の傑作、いよいよクライマックスへ!

内容(「BOOK」データベースより)

野望と虚飾のかけひきの向こうで、兵士たちは死んでいく。戦場の現実を見ようとしないそれぞれの上司に苛立ちをつのらせる両軍の指揮官、リッジウェイと彭徳懐。右傾化の国内政治の嵐のなかでマッカーサーを切れないトルーマン政権。スターリンに疎まれる自主独立の中国共産党と毛沢東。巨人たちが激突する!スターリンが、金日成が、トルーマンが、マッカーサーが、毛沢東が、そして凍土に消えた名もなき兵士たちが、血の肉声をもって語るあの戦争―。

登録情報

  • 単行本: 528ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2009/10/14)
  • ISBN-10: 4163718206
  • ISBN-13: 978-4163718200
  • 発売日: 2009/10/14
  • 商品の寸法: 19.2 x 14 x 3.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Jupiter
形式:単行本
朝鮮戦争では、北朝鮮の奇襲攻撃、マッカーサーの仁川逆上陸、「中国義勇軍」の参戦と、あたかも将棋盤の駒のような出来事が多く語られがちだが、実際には生身の兵士対兵士の殺し合いであったということをあらためて認識させる内容であった。

また、戦線の膠着をまんざら不愉快でもなくみていたスターリンは、ビゴーの風刺画でも有名な漁夫の利を狙う日清戦争時のロシアと同様でもあり、朝鮮半島の地政学的問題をも再認識させてくれる。

それにしても、その後のベトナム、そして反共を反テロに変えた現代のイラク、アフガニスタンと、自分たちのテリトリー以外にも手を出して懲りないアメリカとの付き合いは、多極化していく世界のなかでますます難しくなることを感じさせられた。
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形式:単行本
本書は、あの偉大なるジャーナリスト、デービッド・ハルバースタムの最後の作品である。私は彼のほぼすべての著作を買い集め、その大半に目を通している。本書も原書が出て、すぐ購入し、読破した。

本書を読むと、第二次大戦が修了した後、アメリカという国が、如何に太平楽に世界を考え、平和主義、平和志向で固まっていたかがよくわかる。何しろ日本の帝国陸海軍相手に激戦を戦い抜いたベテランたちの大半は本国に引き揚げ、日本の占領に従事した米兵のほとんどは実戦経験のない若造で占められていたというのだから。この若造たちの大半は「もう、戦争は終わった。戦闘に駆りだされることはない。日本に行けば、芸者ガールとよろしくやりながら給料がもらえる。日本では円の価値が安いので、アメリカでは味わえないような給士付きの王侯貴族の様な生活ができる」との触れこみを真に受けてやってきたような連中ばかりだった。実際、当時の米兵の暮らしは華やかだった。日本に持ち込んだ中古のアメ車は、引き揚げるときには日本でそのアメ車の新車価格よりも高値で売れたという話もあるくらいだ。私の実家は国立市にあるが、その近所に、常に門前に黒塗りの高級車が何台も停まっている広壮な邸宅があった。近所の噂では「日本政府高官の屋敷」との話がもっぱらだったが、蓋を開けれ見れば立川に駐留する米軍高級将校相手のパンパン屋敷だった。

その米兵たちに不運が訪れる。なんと予想もしていなかった朝鮮半島で、ロシアで軍事訓練を受け、ロシアから大量の戦車、戦闘機、武器、弾薬の支援を受けた金日成が奇襲攻撃をかけてきたのだから。全く予想していなかった北の攻撃を前にしてアメリカ軍は総崩れになり退却に次ぐ退却。ようやく釜山の手前、洛東江を防衛ラインにして、ようやく北の猛攻を米軍は押しとどめることに成功する。

それにしても不思議なものである。1970年代まで、日本では「朝鮮戦争北朝鮮による一方的な軍事侵攻によって始まった」という、今や動かすことのできない歴史的事実を言っただけで「右翼」「保守反動」扱いされたのだから。その中で、ほとんどただ一人「朝鮮戦争は北の侵略によって始まった」と真実を述べ続けたのは神谷不二先生ただひとりだったように記憶する。日本における「サヨク」とは、誠に度し難い連中である。

本書の最初の白眉は、この戦争の指揮をとったマッカーサーの人と成りに関する詳しい記述だろう。陸軍将校の長男として生まれたマッカーサーは、今でいう教育ママに育てられたマザコンの走りである。夫の出世が中途半端で終わったことに忸怩たる思いを抱く母親はマッカーサーを陸軍の星に育てるべく、文字通り母子密着で彼をそれこそ箸の上げ下ろしまで指導し続ける。偉大なる母に指導された息子は、「ママは理解してくれている」を心をよりどころに周囲との協調を潔しとしない傲岸不遜な青年として育ち、やがて周囲と数々の軋轢を引き起こす存在になっていくのである。このあたり、子育てという意味でも、なかなか考えさせられる部分が多い。
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13 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ib_pata VINE™ メンバー
形式:単行本
 長津湖からの退却というか、中国軍の包囲からの脱出は、マッカーサーのお気に入りだったアーモンド将軍の権威喪失を生みましたが、指揮を引き継いだ知将リッジウェイの分析によって、中国軍はあなどる相手ではないが、決して無敵でもなく、ちゃんとした準備さえ怠らなければ負けはしない、という戦争の目鼻をつける上でも重要な戦いでした。マッカーサーは朝鮮戦争の指揮権を奪われ、知将リッジウェイが火力と空軍力の優位性を全面に押し出した戦法をとることによって、いかに大量の人的損失をいとわない中国軍も補充がきかなくなり、38度線での停戦を余儀なくされます。しかし、そのキッカケとなる砥平里の戦闘のすさまじい描写といったらありません。中国軍による、ほとんど自殺行為のような攻撃は読んでいるだけで恐ろしい。やられる方(米軍)を想定しても、やる方(中国軍)の立場に立っても。

 ここでヒーローとして描かれているのが小隊を率いたポール・マギー。最終章も、この無名の軍人ポール・マギーの独白で終わりますが、ハルバースタムはエピローグの中で、この元軍人に出会って、彼の口からどれほど凄い戦闘が行われたかを冷静に聞くことによって、《わたしがいまやっていることを、なぜやらなけばならないのか、その意味を思い出させてくれた》(p.471)としています。マギー小隊の奮戦ぶりが描かれる45章から46章は『ザ・コールデスト・ウィンター』の白眉でしょう。そして、それとは真逆に描かれているのがマッカーサーと毛沢東。どちらも現実を見ようとはせず、マッカーサーは執務室に電話さえ引いていない状態で、状況報告など聞かずに命令を下し、毛沢東に至っては全国各地につくった豪華な別荘で地元の娘たちに下半身の世話をさせながら朝鮮半島から米国を追い出すことを夢想していたというのですから。
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