かれこれ30年程前だが、私が住んでいた京都府下の田舎のコンサートホールで矢沢永吉のライブが行われたことがある。当時は洋楽に嵌っていてそれほど熱心なファンでは無かったので、自分は行かなかったのだが、彼のライブには近隣の暴走族が一挙に集まるという噂が直前に流れ、私の通っていた中学校でも先生方やPTAから、矢沢のライブには決して行くなとのお触れが出されたりして、ちょっとした騒ぎになったことがあった。それでも行くやつは行っていたが。まだ、J-POPなんて言葉も無く、日本でロックに市民権など無く、テレビの歌番組はアイドル歌謡と演歌以外は考えられない時代のことです。暴走族は結局たいして来ませんでしたが。
矢沢永吉の音楽は、楽曲のスタイルがロックとか何とか言う以前に、彼独特の価値観、美学、ボーカルスタイルなど全てが唯一無二の存在であり、その音楽を通してヒリヒリするような熱いモノを当時の中学生に伝えてくれたのだと思う。不良としてのロックであり、ちょっとヤバい大人の世界への憧れを与えてくれたところなど、俗社会との距離感が絶妙だったと思う。
30代半ばになって急に矢沢永吉をまた聞きたくなり、本作を購入したのだが、それから10年、いまでもたまに無性に聴きたくなることがある。