久々に面白い書物に出会いました。
クオンツの発展がエド・ソープから始まっていたという系譜が非常に面白かったです。
最終章もエド・ソープとケリーの公式とウォールストリート・ポーカー・ナイトで締めくくられていました。
物語は、2006年のウォールストリート・ポーカー・ナイト・トーナメントから始まります。
ここにまず驚きました。
実際に開催されている大会のようで、参加者は、
バンカー、トレーダー、ヘッジファンド・マネージャー、プロのポーカープレイヤーなど。
http://www.mathforamerica.org/pokerformath/NY/index.html
投資専門出版社のパンローリングも最近ポーカーの本を何冊か出していますが、
トレードの世界とポーカーの繋がりは深いのですね。
あらためて驚きました。
本書の随所でポーカーのシーンが出てきます。
シタデルのケングリフィン
ルネッサンスのシモンズ
破綻したGSAM(ゴールドマンサックス・アセット・マネジメント)のグローバル・アルファ (なつかし〜笑)
90年代後半に超レバレッジでオールインして破綻したLTCM
クオンツ達が集結してつくったアスネスのAQR
モルガン・スタンレーのPDT
D.E.ショー
メダリオン
Saba
ザラバ中に毎秒何百万ドルも増えていくお金
これらの高頻度・超高速トレーディングのヘッジファンドが、
全てエド・ソープの系譜だということに非常に驚きました。
モルスタPDTの創始者のミュラーはWSOP(ワールド・シリーズ・オブ・ポーカー)でインマネ経験もあり
週に10時間から15時間はポーカーをやっていた時期もあるそうです。
クオンツ・ファンドの2000年代の黄金時代について、
そして2007からのCDSに関連したポジションのデレバレッジで大損害を被るまで。
リーマンショックで崩壊寸前まで行ったマネー・マシーンのシタデルは当時の新聞でも報道されていて
非常に驚きましたが、その経緯の詳細とファンドマネージャーであるケン・グリフィンの人格について
詳しく書いてあって非常に面白かったです。
そしてリーマンショックで多くのクオンツが破産する中、莫大な利益を上げたポールソンとシモンズ。
サブプライム危機からリーマンショックまで、投資銀行側からみた書物は何冊も読みましたが
ヘッジファンド側からみた書物として、本書は非常にすばらしい取材と記事でまとめられていると思いました。
しかし、エドソープがこんなにすごい人とは知りませんでした。
天才数学者はこう賭ける―誰も語らなかった株とギャンブルの話を読んで、
凄さの一端は理解していましたが。。 この本(天才数学者)もこの機会に再読します。
最終章は、再び運用に乗り出したエド・ソープと、今回の危機で参加メンバーがすっかり入れ替わった
2009年のウォールストリート・ポーカー・ナイト・トーナメント。
しびれます。