スミスは90年代まで日本で人気がなかったと言われるが、他のポストパンクに比べればかなりポピュラーで、割合聞いている人は多かったと記憶している。(というかまず兄が聞いていた)
80年代は間違いなくアングロサクソンにとっての暗黒時代で、イギリスの不況は特にひどく、サッチャーに対する欝屈のたまりようも酷かった(と一般的に言われる。さすがにリアルタイムでは勉強してない)。
スミスは他のどのバンドよりも、ピストルズやクラッシュを正しく受け継いだのだろう。旧来のロックスター文化をことごとくコケにするその様は、間違いなくパンクであり、イギリスを馬鹿にしきったその様はまさにイギリス人でもある。
本作に収録の、スミスのベストトラック筆頭と言っていい曲「ゼア・イズ・ア・ライト」は、永遠にロックそのもの。
おそらく、世界には僕と同じ認識の人間があと10万人ぐらいはいるだろう。
ロックは間違っても音楽技巧ではなく、かつ、音楽的なセンスだけでもない。この曲の歌詞のような感傷そのものではないのかとも思う。こういうアンヴィヴァレンスな感覚を曲にして表現できるミュージシャンこそまさに「ホンモノ」ではないのだろうか。こういう詩は教科書では習えないし、日本の有線からは永遠に聴こえることもない。だから洋楽に金を出してしまうわけだ。
二十歳すぎてから、この歌詞の光とは、眼前から来るダブルデッカーバスの光であり、だからこそそれが主人公にとって「永遠に消えない光」と語られてるのだと理解できた時、そういうことを考えてしまった。