超一流のスポーツエージェンシーでバリバリ働くジェリーは、突如「金まみれの原因は我々エージェンシーにあるのでは?」と思い立ち、原点に戻ろう!という提案書を会社に上げる。みな表面では「良く言ってくれた」「素晴らしい」と称賛の声を贈るが、実際は即刻クビが待っていた。自身が育てた大会社の看板を背負ってブイブイ言わせていた男が、一気にクライアントを失っていく。残ったのは口うるさいアメフト選手のロッドだけで、それも下り坂の選手。提案書に打たれて大会社を辞めた経理のドロシーとも無理やり結婚するが上手くいかず・・・。トムが演じたジェリーには共感できる人も多かったのではないか?自分のキャリアは「会社組織ありき」だったことへのショックと、一旦そこを離れると、見事に仲間も去っていく寂しさ。プライドとは?仕事とは?日本語では「矜持」という素晴らしい言葉があるが、卓越したキャストと名匠C・クロウはこの難しいテーマを見事に映像化した。J・カミングスキーのカメラ&ライティングも利いており、まさにトム・クルーズの現在までの最高傑作と言っていいだろう。製作がソニーなのでDVDも綺麗な画質だったが、HDで観直すと「レベルが違う」映像力だ。まあこんな良くできたラストシーンは、通常のビジネスマン&ウーマンに訪れることはほとんどないだろうが(笑)、拍手したくなるほど気持ちのいい終わり方だった。特典映像では何といってもC・クロウ&トム&レニー&キューバによるコメンタリーが絶品だ。コメンタリーというよりは、もはや4人は観客状態で「出ている人が喋っている」感じじゃあない(笑)。技術論なんて1分も出てこないからね。アメリカの劇場で観ている気持ちになりたかったら、必聴のコメンタリーだ。星は文句なく5つです。