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最も参考になったカスタマーレビュー
6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ピーター・ジェニングスが好きだった方へ,
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レビュー対象商品: ザ・アンカー ピーター・ジェニングス (単行本)
10年ほど前、NHK BS-1で平日の朝放送されていた「World News Tonight with Peter Jennings」。英語のリスニングの勉強にいいかなと見始めたのですが、他のアメリカ人(当時はそう思っていました)キャスターのように押しが強くなく、ソフトな語り口でカッコいいピーター・ジェニングスのファンにいつの間にかなっていました。しかし、ここ数年は英語から離れてしまい番組を見ることもなかったのですが、インターネットで偶然訃報を目にしたときは軽いショックと一つの時代が終わったような寂しさを感じました。 自分の名前を冠した番組を持つジャーナリストの中には自己主張が強すぎて、その意見を聞いていると押し付けがましく感じることがありますが、ピーター・ジェニングスはそれを感じさせず、常に公平に物事を眺め、的確な言葉で事実を表現しようと努めていたように思います。そして、穏やかな声のトーンやなめらかな語り口は、悲惨な事件であっても聞いているこちら側に落ち着きを与えてくれました。また醸し出す雰囲気にもやさしさと品があり、まさに信頼できるアメリカのトップアンカーでした。 当時私は彼のそういった姿を見て、たぶん一流大学を卒業したエリートなんだろうと思っていました。アメリカ3大ネットワークの顔となれるのは、そういった選ばれた人だけなんだろうと。しかし、この本には全く別のことが書かれていました。実際には、彼は外国人(カナダ人)であり、高校を中退しラジオ局に入社。テレビの世界に入った後も順風満帆ばかりでもなく、ある時は特派員として危険地帯に飛び込み、取材に駆け回る日々。また、大学教育を受けていないことにコンプレックスを感じていたらしく、どこへ行くにも本を携え、常に泥臭く努力し続けていた……。 驚きました。エリート街道を歩んできたんだとばかり思っていたのに全く違っていた。ピーター・ジェニングスという人がまとっていたカリスマ性は、そういった目に見えない努力の蓄積の賜物だったことを知り、彼に対する尊敬の念が生まれまれると同時に、彼がもうこの世にいないという事実に悲しくなりました。 これから先、ピーター・ジェニングスのようなアンカーが現れるとは残念ながら思えません。インターネットの普及で、テレビ・新聞といった受身で情報を得るメディアだけで満足する人はもういなくなっているでしょうから。ですが、彼のような「信頼に足る人」が、日々同じ時間に「こんばんは」と微笑んでくれる安心感をもう一度味わえたらなとも思います。 ピーター・ジェニングスの番組を楽しみにしていたという方に、ぜひ読んでいただきたい本です。
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
大アンカーの歴史を知った時、次の時代が見えてくる。,
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レビュー対象商品: ザ・アンカー ピーター・ジェニングス (単行本)
本書では、ABCのアンカーとして1980年代から活躍し、2005年8月に逝去したピーター・ジェニングスのアンカー人生を取り上げている。そして、2003年までカナダ人でありながらアメリカの良心として親しまれた理由を探っている。まず、ピーターは経歴から徹底した現場主義者であった。これは中東での海外特派員時代の経験が主な原因であるが、加えてカナダ人というバックボーンがあった。アメリカ人で無いが故に、客観的にアメリカという国を分析でき、客観的分析が出来るが故にアメリカ国民に相手側(=アメリカ以外)の視点や価値観、そして考え方を提供していた。 次に、イラク戦争時でも中立性を保ち、数々の批判にもぶれることなく自らの信念を貫いていた。この点に関しては、本当に凄いことだと思う。視聴率至上主義のテレビ界で、なおかつ9.11のショックが醒めていないアメリカで、イラク戦争に疑問を投げかけているのだから。 (中略) 現在、アメリカではピーターのような大アンカーがいない時代に突入している。我が国でもアンカーの不在が指摘されているが、個人的にはテレビのアンカーからピーターのようなカリスマブロガーに取って代わる時代に突入しているのではないかと考える。 というのも、テレビ業界が決まった時間に視聴する文化が続いている限り、現在のような多様な社会では同じ時間に同じ番組を視聴することは殆ど無いだろう。しかし、blogなどのネットは好きなときにチェックすれば良く、デジカメで録画した内容をYoutubeに提供してリンクすれば話は別である。 (中略) いずれにせよ、この本を通じてこのようなことを考えさせてくれるピーター・ジェニングスは、本当に偉大である。
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