実は凄く期待していた。でもフタをあけたら違っていた。
この方の画力は定評があるし、ナチス系の話が好きなようなのでそれを極めて行けば素晴らしい作家になると思う。
表紙はつい見惚れてしまうほど素晴らしかったし、画面構成や展開も良かった。
ただ、ご自身が云うように勉強不足だったり、ちょこまかとラクな方に逃げてしまって、
せっかくの世界観が活かしきれていないところが致命的だった。
幾重にも折り重なる澱のような閉塞感や悲壮感が足りない。
ユダヤ人の深い哀しみや憎しみ、そこに秘められた歪んだ愛が滲み出て伝わって来なかった。
読者に媚を売らなくてもいい。
掲載誌の傾向でしょうがない部分もあるのだろうが、自分の中でブレないものを深く掘り下げて
地道にその世界観を確立して欲しいと思う。
性描写だけはご立派だったけれど。
これだけ重いテーマを扱うのだから、たかがBLだと侮ることなく真摯に描いて欲しかった。