表題作「サーベルタイガー」では、“人類が進化の袋小路に入り込んでしまった”超未来から、その絶望的状況を打開すべく、武装した女性の作戦部隊が氷河期に送り込まれてきます。そこでは王者“サーベルタイガー”が君臨し、人類の祖先たちは数が減り危機的状況に陥っていた。彼女たちは人類の運命を変えることが出来るのだろうか…!?
「ユニコーンの星」では、“完全地球型惑星”を探索中の宇宙船がある惑星に着陸するのだが、アクシデントにより離陸や外部への連絡が一切不可能な状況になってしまう。一見理想的にすら思えたその星には恐るべき秘密が…
言葉すら持たず寿命も極めて短い原始的な民族の住む低温惑星“グイン2”。彼らが死ぬ前に、氷柱で作り上げる音叉の謎とは…?という「冬の惑星」。「冬の惑星」は、左からページをめくって読んでいく珍しい作品です。これら3本はどれも名作。
著者の高校時代からの友人・奥谷俊介先生の原作である「アダマスの宝石」、軽妙なショート・ショートの連作「タール・トラップ」も良作です。アイデア本位の本格SFが詰まった、非常に良質な作品集だと思います。