「オール讀物」に連載中の「いまの味」の第1回〜12回までをまとめた一冊。
ウナギ、ビール、オムライス、社員食堂等々。毎回ひとつのテーマを選び、そしていくつかの店を、同行者でもあり編集者でもある推定年齢40歳台前半のY田(元)青年と食べ歩く。熊を食べに行ったりもする。著者とこのY田青年がなんともいいコンビだ。
そんなY田青年とのやりとり、食べっぷり、そして文章、すべてがテキパキとして女っぷりがよい。
ただ、そんなテキパキとした中に落ち着きみたいなものも感じるので、著者の年齢が気になり調べてみる(奥付に生年月日が記されていなかったので)と‘58年生まれとあった。いい年齢の重ねかたをしていると思う。
ひとつのテーマに割かれるのは15頁。改行も少なめなのでけっこう読み応えがあるのだが、女っぷりのよさで腹がもたれることはない。
筆者はこの作品の挿絵(挿漫画?)を描いている谷口ジローのファン。そして、著者のことはまったく知らなかった。なので、この作品も挿絵観たさに購入した。エッセイの一場面を切り取った谷口ジローの絵はもちろんよかったが、エッセイそのものが実によかった。