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16 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
テクニック論に矮小化することなかれ,
By RANDY (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: サンデル教授の対話術 ( ) (単行本(ソフトカバー))
サンデル氏が一貫して伝えていることは、答えを教えてもらうのではなく、 自分の考えや価値観を自らが批判的に捉えることの大切さであり、 それが教育の本質であるということだと理解している。 教育者として、それを実現するために、 ・適切なテーマ設定とそのための情報収集や発想 ・講義のアウトライン設計(ただし詳細は詰めない) ・背後では自分の考えや価値観の確立 ・一方で、自分の考えを押し付けずに意見を引き出す工夫 ・結果として、講義として完成させる(学生自らが学び、考える) といったところに力を注いでいることが見え隠れしており、 また、自分は正しく相手は間違っているという優越感、教えたがる衝動といった 外乱を徹底的に排除しているというスタンスも見逃せない。 サンデル氏はそのような価値観からか、本書の対話でも、 日本でのブームの秘訣を小林氏が迫るシーンが何度か出てくるが、 それを巧みに交わし、答えを断定しないといったところにも適用されており、 答えを迫る小林氏が時に滑稽にさえ見えるような錯覚に陥る。 ※それを明らかにすることが読者の望むことであろうことは理解できますので、 滑稽といったことに悪意はありません 後半、対話型講義を日本の教育に導入することが極めて有意義であるという論調になるが、 冒頭に述べた教育の本質を理解していないと、 テクニック論だけが先行し、ブームに散らかされて終わることになり兼ねない。 (サンデル氏がテクニック論をあまり語らないことは、間接的にそれを主張しているとも解釈できる) 結局、答えを求めて形だけ真似るのではなく、 教育のあり方もまた自らが批判的に考えなければならないということなのであろう。 読みやすい本書であるが、極めて奥の深さを感じる一冊である。
11 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
一周まわった好き嫌い,
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レビュー対象商品: サンデル教授の対話術 ( ) (単行本(ソフトカバー))
「ハーバード白熱教室」でおなじみ、マイケル・サンデル教授による対話術をテーマにした一冊。番組でも注目を集めた対話型講義について、さまざまな角度から言及している。前半はサンデル教授のインタビュー、後半は小林正弥教授による解説という構成である。◆本書の目次 第一部 サンデル教授、大いに語る − 対話型講義をめぐって 1 自分自身のこと 2 対話型講義とはどのようなものか 3 講義法について 4 ハーバード大学の講義と学生たち 5 東京大学での特別講義 6 日本とコミュニタリアニズム 7 アメリカと「市場の道徳的限界」 8 今日における正義と哲学 第二部 現代に甦るソクラテス的対話 − サンデル教授から学ぶ講義術 序 素顔の公共哲学者マイケル・サンデル教授 1 大学に甦る対話篇・ハーバード白熱教室 2 サンデル教授の講義術 3 日本における対話型講義の技術 4 対話型講義による教育改革を 5 対話型講義の美徳 − その実践に関心を持つ人々へ 付論 近現代的正義論から古典的正義論へ − 新しい正義論への道 講義における最大の特徴は、道徳的ジレンマを感じさせるテーマの設定と、フレームワークの活用である。「暴走する路面電車を止めるために一人を犠牲にして五人を救うのは正しいのか」「イチローの給料は公正か」といった問いに対して、功利主義、リバタリアニズム、リベラリズム、コミュニタリアイズムなどの立場から議論を交わすのである。本書のインタビューによれば、対話型講義を上手く運用するためには、どこで意見交換の要素を導入して、それによって何を目指すのかということが非常に重要であるという。その他、サンデル教授の講義テクニックは以下のようなもの。 ◆サンデル教授、対話型講義のテクニック 1 学生の発言を論理的に明確にする 2 学生に哲学的立場を自覚させ、それぞれの立場の代表者を見出す 3 個人的な攻撃を避けさせて、学生自身の論理を徹底的に展開させる 4 臨機応変に議論を展開させていく 5 哲学に関する実験をして学生にその内容を考えさせる 6 チームを作って少数派の意見を積極的に引き出す 7 正反対の意見を戦わせて議論を深化させる 8 あえて自分の思想への反対意見を引き出す 興味深かったのは、サンデル教授が授業を功利主義から始めている理由についてである。「功利主義はとても馴染みがあり、シンプルで率直な思想である」と述べている。確かに功利主義は、定量的に捉える事ができるケースが多い。またビジネスを通じて判断を迫られるときの多くは、功利主義的な決断を下すことがベターであるのも事実である。しかしそれゆえに、そこには思考停止という罠も潜んでいるのではないだろうか。 自戒の念も込めて書くと、自分が功利主義であると自覚する持つ人は、本当に他の立場からの視点を深く検証したか、見返す必要があるのかもしれない。功利主義、リバタリアニズム、リベラリズム、コミュニタリアイズムという各々の視点を一周回った後は、最終的には正解好き嫌いで判断するしかない。こうして考えると、哲学とはその好き嫌いを通して、自分を見つめ直すことなのだなと改めて実感した。
8 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
教育に携わっている方に特に読んでほしい,
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レビュー対象商品: サンデル教授の対話術 ( ) (単行本(ソフトカバー))
白熱教室を「映画」とするなら、この本はその舞台裏や監督インタビューが載った解説本といったところです。小林氏が実際に日本で行った対話形式の授業から得た教訓も載っており、教育者の方々は必読です。 文章だけの講義録ではなく、是非NHKオンデマンドやDVD等で実物の講義を見てから読んでもらいたいです。
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