サンデル本人が推薦!!
「私の政治哲学を、完全に、そして深く、彼は理解している」
日本の読者に私の考えを紹介してくれている小林教授に、私は深く感謝している。長年にわたり多くを語り合っているので、彼の判断を私は信頼しており、私の政治哲学と同時代への示唆について、完全にそして深く、彼は理解してくれている。
―マイケル・サンデル
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最も参考になったカスタマーレビュー
54 人中、46人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
サンデルに好意的なサンデル入門,
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レビュー対象商品: サンデルの政治哲学-<正義>とは何か (平凡社新書) (新書)
既にいくつかのレビューが書かれているため、それらを踏まえつつ、自身の感想を述べたい。まず、本書に好意的なレビューとして、ほぼすべてのレビューが、政治哲学としては異例の知的ブームとなった『これからの「正義」の話をしよう』や「ハーバード白熱教室」のマイケル・サンデルの思想をより深く理解するのに役立つ良質な解説書である点を高く評価している。 否定的なレビューとしては、 1)内容の繰り返しや誤植が所々ある点、 2)読後感として、サンデルの思想が実際に受け入れられるのものか、あるいはそれが我々の生活にどのように係わるかを明確に答えることができない点、 などが挙げられる。 私自身の意見としては、以下の通り。 「サンデルのこれまでの全著作を取り上げ、それぞれに学問的解説を加えることによって彼の思想の全体像を描きだす」という著者の目的は、成功していると思う。本書における内容の繰り返しは、サンデルの思想が一貫しているが故に生じるものだろう。また、サンデルの主張する「共通善に基づく正義」はいまだ発展途上の思想であるため、それに具体性が欠けるのは致し方ないことであろう。これらの点は、本書においても明確にされており、それゆえ、本書の評価を下げるほどのものではない。 本書の問題点は、副題にあるように「本来の正義とは何か?」という問題を公共的に喚起するには、あまりにサンデルの立場に寄り添いすぎている、という点にあると思う。 この点は、特に後期ロールズの「転向」(『正義論』から『政治的リベラリズム』へ)に関する記述に見受けられた。 というのは、本書は後期ロールズの「転向」がサンデルの批判によるものであるかのように説明しているからだ。 サンデルのロールズに対する「負荷なき自己」批判は、ロールズの論理においてはそれほど深刻なものではない。ロールズはもともとリベラルな社会が「負荷なき自己」からなると考えているわけではなく、サンデルの批判は正しくはない。それは、ただ原初状態の構成の仕方の不備を突くという点にのみ当てはまる。しかし、ロールズにおいて原初状態の論理は二義的な役割しかなく、「反照(内省)的均衡」がより大きな位置を占めている。 また、サンデルはノージックを援用しつつロールズを批判しているが、ノージックのロールズ批判の大半は失敗している。ノージックは、「ウィルト・チェンバレンの寓話」(サンデルは代わってマイケル・ジョーダンにしている)で格差原理を批判したが、格差原理は特定の分配状態を矯正したり、私人の取引に直接介入したりするものではない。ロールズにおいて、正義は個別のケースよりも「社会の基礎構造」に関わる事柄なのである。 ロールズの『正義論』批判に関しては、ハーサニ、アロー、センらによる批判がより重要と思われる。それにもかかわらず本書は、ロールズの『正義論』批判には様々あると述べるだけで、それを「ロールズ対サンデル」とういう図式に押し込み、サンデルの勝利を勝利を宣言するのである。 全体として、本書は、政治哲学に関心がある初学者にとって、読むに値する入門書の1冊である。しかし、入門書であろうとも、その内容を批判的に読むことは必要である。
17 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
「サンデルとは何者か?」を教えてくれる本。,
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レビュー対象商品: サンデルの政治哲学-<正義>とは何か (平凡社新書) (新書)
「白熱教室」「これからの正義の話をしよう」などで話題になっている、政治哲学者マイケル・サンデルの思想について書いた本。 サンデルの書いた内容を噛み砕いて説明した入門書かと思っていたが、 実際にはサンデルの著作ひとつひとつの内容を丁寧に解説し、 政治哲学という学問の歴史や発展の経緯も含めて、 「サンデルとは何者か」「どんな主張をしてきた人か」というのが、 門外漢の素人にもわかるようにしてくれている、 非常に内容の濃いものだった。 僕は、サンデル本人の著作を読む前に、 読んでみるべきかどうか、ざっくりとした感触を知りたいな、と、 軽い気持ちでこの本を買ったのだが、 むしろ本人の著作を読む前に、サンデルがどういう人なのかを知ることができて、 とても有意義だった気がしている。 つまりこの本のおかげで、このあとにサンデル本人の著作を読むに当たって、 その主張するところを冷静に受け止めることができる下地を、 先につくることができたように思うのだ。 サンデルには興味がある。 その主張も、ざっと聞いたところでは何やらかなり正しそうに見える。 でも、「白熱教室」に見られるような、あの巧みな会話法は、 逆に、そうでないことでも正しいような気持ちにさせられるような気がして、 逆に読んでしまうのが怖いような気もしていた。 冷静に受け止めるのではなく、魔法にかけられたように 信奉者になってしまうのはいやだなぁ、とかそんな気持ちがあったのだ。 でも、この本を読んでわずかとはいえ予備知識を仕入れた後ならば、 少しは冷静に読むことができそうだ。 この本の中で整理されたサンデル自身のコミュニタリアニズム、 あるいは共和主義というような思想について、だいぶ共感しつつも、 まだ半信半疑なところが僕にはある。 サンデルの著作で、それぞれの思想の具体的な実践例を見て行きつつ、 僕自身のこの思想に対する態度を考えていきたい、と思っている。
43 人中、36人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
正義、共同体、そしてサンデルとは?―,
レビュー対象商品: サンデルの政治哲学-<正義>とは何か (平凡社新書) (新書)
本書は政治哲学を専門とし、現在は千葉大学教授である著者が、 マイケル・サンデルの思想を紹介する著作です。 ロールズへの批判者の一人として知られる、政治哲学者サンデル 著者はまずNHKで放送された「白熱教室」について解説を行い、 さらに、放送ではカットされた議論を紹介します。 その上で、サンデルの主著である『リベラリズムと正義の限界』や 『民主政の不満』、『公共哲学』などを概観。 そこに記された思想やその変遷をコンパクトに解説し、 最後に、サンデルの正議論が持つ今日的意義を論じます。 ウォルツァーやエッチオーニなど、他の「コミュニタリアン」との相違 サンデルに流れる、ハートマンやSoloveitchikなど、ユダヤ教思想の指摘 保守派・リベラル派とも一線を画した生命倫理など 興味深い記述が多かったのですが、 とりわけ印象的だったのは 現在のサンデルの議論においては、 『負荷なき自己』よりも『(価値や善についての)棚上げ』が重要という指摘です コミュニタリアンと一括りにされがちなサンデルについて、 その奥深さを平易に伝えるとともに 敬遠しがちな政治哲学について考えるきっかけを与えてくれる本書 政治哲学や政治思想史に興味がある方に限らず、 多くの方にオススメしたい著作です。
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