真面目でいい子を演じることに疲れ、リストカットをした佑一が、ひと夏を過ごすために訪れた別荘で出会った、無口で無愛想な青年・晶。
感情の読み取りづらい晶の、しかしストレートな物言いに、いつしか自分を偽る必要がなくなり、楽に呼吸ができていく。
そんな佑一には、まだ秘密があって、それこそが彼を自傷行為に追い詰める原因だった。
全体のトーンは非常に重く暗い。そんな物語に、宮本佳野氏のイラストがとても合っている。
夏のうだるような暑さと、出口の見えない佑一の想いと、それを見守る晶の広い気持ち。
結末も明るくさわやか、とは言えないが、未来の見える二人の関係は、明るいだけではないだけに、リアルに感じることが出来る。